菊地「先輩、先月下旬から上向きに入りましたね。」
今日は月に一回のエリアマネージャーとの打ち合わせだった。
山口「んー。まだもう少し改善の余地はあると思ってるから、何とか来月までには黒字確保したいな。」
エリアマネージャーの菊地は、私の上司にあたるが、入社は私の方が2年早いので、気兼ねなく相談出来るマネージャーでもあった。
菊地「そうですねぇ。若干新商品の発注が目標未達ですから、他の店舗やフランチャイズ店舗なら、もっと新商品の発注推し進めますけど、ここは先輩の担当なんで、そこは上手くブロック長に上手くごまかしえ伝えときます。」
山口「悪い。必ず、黒字にするから、それで勘弁して。」
菊地「分かりました。黒字が恒常的にしっかり確保出来たら、先輩もここから脱出出来ますね。」
山口「脱出って…、変な言い方するなよ。」
菊地「あ、すいません(笑)でも、先輩の力なら間違いなく、今の立ち位置はおかしいですから。」
山口「褒め言葉なんだろうけど、とりあえず、今はこの店舗をしっかり立て直すことに集中するよ。」
菊地「よろしくお願いします。じゃあ、また次のブロック会議で。」
山口「おう。」
菊地が出ていった後、カウンターに入ると、小坂さんが心配そうに聞いてきた。
小坂「どうだった?」
山口「ん?上々だよ。」
小坂「ホント?良かった!」
小坂さんは満面の笑顔を見せる。
『山さんのおかげです』
彼女なりに責任を持って仕事をしてくれていることに、心の内で感謝を述べる。
彼女が上がる時間になり、私は思いきって彼女を飲みに誘うことにした。
山口「小坂さん、どっか予定空いてる?もし、良ければどっか飲みに行こうよ。」
小坂「うん、いいよ。帰ったら主人の予定聞いてみる。」
山口「うん、じゃあ、分かったらLINEちょうだい。」
小坂「分かった。じゃあ、お先に上がります。お疲れ様でした。」
山口「お疲れ様でした。」
その日の夜、彼女からLINEが入った。
『主人土曜日なら大丈夫みたいだって言われたけど、山口君の予定はどうかなぁ?』
※元投稿はこちら >>