病院で診察を受けて、右手の橈骨にヒビが入っていたものの幸い軽症の部類で、ギブスで1ヶ月程度右手を固定することになった。
病院からタクシーで帰宅し、警察に電話をして車については後日保険会社の手配するレッカーで引き取ることになった。
右手がギブスで固定されているので、とりあえず左手を使って軽くシャワーを浴びた。
山口「右手使えないのは辛いなぁ。ハンドル逆に切るべきだった。」
時間を見ると、既に時間は6時を回っていた。
2時間後には出勤の時間だ。
山口「車……どうすっかな。」
タクシーを使いたいが、正直これ以上の出費は抑えたかった。
山口「ごめん。山さん、起きててくれ。」
私はスマホを取り出し、小坂さんに電話をかけた。
小坂「もしもし?」
山口「あ、山口です。ごめん。朝早くに。」
小坂「ん、今主人駅に送り届けて帰ってきたとこだから、大丈夫だよ。どうしたの?」
山口「うん。実はさ、帰りに事故っちゃって。」
小坂「え!?ケガは!?」
山口「右手にヒビが入った程度。」
小坂「程度って……。今どこなの!?」
山口「家。でさ……車が…なくなっちゃってさ。今日店に行く足がないんだよね。」
小坂「何言ってんの!馬鹿じゃないの!?仕事どころの話じゃないじゃない!」
山口「いや、今日本部に送る報告書あったりするから。」
小坂「もう!ちょっと子供達学校に送り出したら、そっち行くから少し待ってて。」
山口「うん、ごめん。」
そうして電話を切ると、私はベッドに横になり少し休憩することにした。
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