昼の3時過ぎに中尾と合流する。
夕飯には早い時間だったので、とりあえず暑さを凌ぐために、近くの喫茶店へ入る。
吉本「ぐっちゃんと鉢合わせた?」
中尾「うん。いつもなら、日曜日のお昼前にはお店に行くから、いないと思ってたから、ビックリしちゃって。何とか冷静は装って出てきたけど。」
吉本「そもそもなんだけどさ。」
中尾「うん?」
吉本「ぐっちゃんのこと、中尾はまだ好きなんだよね?」
中尾「まぁ、そりゃ嫌いになった訳じゃないけど。」
吉本「それは、友達として?彼氏として?」
中尾「う~ん。友達として。」
吉本「そうなんだ。じゃあ、二人はもう別れたの?」
中尾「ん。その辺は、よく分からない。」
実際のところ、山さんから事情は聞いていたので、二人がどういう関係かは分かっていたが、俺は知らないことになっているので、あえて直接触れることはしない。
吉本「まぁ、何があったのかは、俺は知らないけど。でも、俺はぐっちゃんとも、中尾とも友達だから、どちらが困ってても、力にはなりたいと思ってるんだけど。」
中尾「ありがとう。でも、今は私が乗り越えないといけない問題だから。」
吉本「そうか。まぁ、あんま無理はしない方がいいよ。」
中尾「ありがとう。」
それから、暫く雑談をしていると、夕方の5時を過ぎたので、俺達は近くの居酒屋へと向かった。
入った居酒屋には、約3時間くらい滞在しただろうか。
個室で飲みながら談笑している俺達に、店員から会計を促されたのは、夜の8時前だった。
俺は店員にカードを渡して、クレジット伝票にサインをする。
中尾「奢りは冗談のつもりだったけど、ありがとう。」
吉本「いや、いいよ。俺も、下心ありありだから(笑)」
中尾「いや、もう嫌だよー。よしとは、前回ので懲りた(笑)」
吉本「えー?でも、本気でそう思ってるなら、こうして中尾から誘うのは、何だか腑に落ちないなぁ。」
中尾「はぁ?(笑)じゃあ、私から誘ったら毎回そうなるのかよ(笑)」
吉本「いや、今はお互いにフリーなんだしさ。」
中尾「少なくとも、よしは違う(笑)」
吉本「いや、同じようなもんだよー。」
中尾「はぁ………。でも、明日も仕事だしなぁ。」
吉本「俺もだよー。」
中尾「私、遅くても10時には、東京駅の新幹線ホームにいたいんだけど。」
吉本「ん?泊まらないの?」
中尾「いや、出勤するのにこの服装じゃラフすぎ。仕事に必要な荷物はあるけど。」
吉本「う~ん。よし!じゃあ、こういうのはどう?品川駅のユニクロで中尾の明日着る服を買う。もちろん、代金は俺持ちで。」
中尾「そんなに私を帰さないつもりか(笑)」
吉本「うん(笑)」
中尾「やれやれ。あ、でも、明日の朝9時半には出勤なんだから、この前みたいに一晩中するのは無しだからね。」
吉本「俺も仕事あるから(笑)」
中尾「じゃあ、仕方ない。今晩は付き合ってあげるわよ。」
吉本「よし。じゃあ、まずはユニクロ行こう。」
そう言いながら、俺達は居酒屋を後にした。
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