私が朝食を食べ終えると、赤石君が起きてコテージにやってきた。
赤石「おはよう。永川さん。」
永川「あ、赤さんおはよう!朝ごはん、食べるよね?」
赤石「うん。児山が起こしにきて、永川さんが朝食用意してくれてるって聞いてね。」
永川「うん、昨日の余り物だけどね(笑)もったいないから、食べてよ。」
赤石「ありがとう。」
私は、赤石君の朝ごはんを作るために、コンロに火を点ける。
肉の油がまだフライパンに残っているので、卵を割れば普通に目玉焼きが焼き上がる。
あらかじめ肉とソーセージを乗せておいた紙皿に目玉焼きを移して、出来上がったおかずを赤石君の前に置く。
赤石「ありがとう。もうすぐ、山口も来るよ。」
永川「うん。じゃあ、もう準備しちゃうね。」
私は、そのまま残った肉とソーセージをフライパンで温めて紙皿にうつし、卵を割って落としたところで、山口君がリビングに入ってきた。
永川「あ、山口君おはよう。朝ごはん、食べるでしょ?」
山口「あ、うん。ありがとう。あれ?小坂さんは?」
永川「雪ちゃんなら、もう食べて終わって向こうのコテージの片付けがてら、シャワー浴びてくるって。」
山口「永川さん、朝早いね。」
永川「ん?昨日、皆程は飲んでなかったしねー。私は以外と目覚めいいよ(笑)」
山口「そっか。」
丁度良い感じに目玉焼きが焼き上がったので紙皿にうつして、机の方に振り返る。
永川「はい、出来……」
振り返った瞬間、私の後ろに立っていた山口君の首筋にある、赤いアザが私の視界に飛び込んできた。
永川『あ、昨日の雪ちゃんの跡になっちゃうね、ってこれだったんだ。にしても、すごいキスマーク。』
私は極力冷静を装って、その跡に気付かないフリをする。
永川「出来たよ。とりあえず、赤石君の前の席に置いとくね。」
山口「ありがとう。」
永川「そろそろ雪ちゃんシャワー終わっただろうから、私、あっちのコテージで子供達着替えさせたり、帰り支度整えてくる。おにぎり、一緒に置いてあるから、全部食べちゃってね。」
山口「うん。」
私は、二階で遊ぶ子供達の部屋にいった。
永川「ねぇ、そろそろ帰りの準備するから、向こうのコテージ戻るよ。」
子供達二人は揃って返事をして、部屋を駆け出そうとした。
私は子供達の行く手を阻む。
永川「はいっ!ダメーッ!ちゃんと、おもちゃは自分の責任で持っていく。」
子供達は私の目が座ったのが分かったのか、素直に従い、散らかしたおもちゃや、ゲームを回収する。
子供達のおもちゃの回収が済み、私は子供を連れて隣のコテージに向かった。
隣のコテージに戻ると、小坂さんはシャワーを浴び終えて、洗面所を掃除していた。
永川「あ、雪ちゃんごめんねー。」
小坂「ん?大丈夫だよ。こっちは、ほとんど使ってないしね。永川は、帰りの支度しちゃっててよ。」
永川「ありがとう。」
私は子供達を連れて六畳部屋へと行き、ドラムバッグから子供達の服を取り出して着替えさせる。
着替えを終えた子供達は、それぞれ、おもちゃやゲームを持ってきたバッグの中にしまい、私はドラムバッグの中に子供達が脱いだパジャマを畳んでしまった。
最後にベッドのシーツを全部外して、枕と一緒に一階に降りる。
永川「確か、シーツと枕はリネン室に返却だよねー?」
小坂「あ、そうだった。」
永川「雪ちゃんの部屋のも、外してくる?」
小坂「あ、ごめん、ごめん!大丈夫!自分でやる!荷物もあるし、そこまでさせる訳にはいかないから。」
永川「あ、うん。分かった。」
私は自分でも、意地悪なことを聞いているのは分かっていた。
小坂さんが、昨日山口君とエッチした布団のシーツを絶対に自分で回収することは分かっていながら、知らないフリをするために、あえて聞いたのだった。
私は、自分の部屋から回収したシーツと枕をリネン室へ持っていった。
コテージに戻ると、小坂さんがシーツと枕を持って出てきた。
小坂「とりあえず、これ持っていったら、チェックアウトの手続きしないとねぇ。あ、そいえば、赤さん、用事あるからって、もう帰っちゃったみたいだよ。」
永川「あ、そうなんだ。忙しいのかな。」
小坂「みたいだねー。」
小坂さんは、そう言いながらリネン室の方へと向かっていった。
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