時間は午後3時に迫り、見渡せば施設には多くの家族連れの姿が見える。他の人達から見れば、僕らもその家族なのだろう。
母親のひろみさんは娘の手を引き、僕は男の子の手を引いているのだから。
いろいろ歩き回り、辿り着いたのは映画館でした。観るつもりもありませんが、覗けばここも家族連れがごった返しています。
そこで甥が目にしたのは、とあるディズニー映画のポスター。残念ながら、近年稀にみる駄作らしい。
しかし、彼らにはそんなものは関係ない。アニメ、アニメであれば何でもいいのである。
もちろん、ひろみさんは子供達にいい聞かせようとしていた。聞き分けのいい彼らは、すぐに納得をしようとする。
『よし!観ようぜ、観ようぜ!入ろうや~!』
それをさせなかったのは、僕のこの言葉だった。寂しがる甥と姪に向かって、そう言ってあげたのです。
二人はもう僕の味方となっていた。『ヨシ兄さぁ~ん、ダメよぉ~、』と言ってくるひろみさんは敵なのだ。
並んで取れた4つの席。日曜日の夕方なのに、駄作だけあって客の入りは悪い。
きっと他のみんなは、『~~の呼吸。』を観ているに違いない。
映画館へ入ると、甥が席に向かって走り始める。もちろん、彼に座る席など分かるはずはない。
『ここ。この列の奥。』、母親のこの一言で彼は真っ先に席に着くことが出来るのです。ひろみさんが次に送り出したのは姪だった。その隣には母親の彼女が座り、僕は一番端となる。
上映が始まった。駄作と決めつけていただけにハードルが低いのか、案外面白さは感じていた。
ちゃんと愉快なシーンもあり、甥と姪だけではなく、客は多くはないが他の子供達の笑い声にも包まれる。
笑った姪は、その度にひろみさんの顔を見ていた。娘としての習性でしょうか、うれしくなって母親の笑顔も見たくなるのでしょう。
娘のそれは、やはりただの習性だった。笑う度に母の顔を見ては、またスクリーンへと目を戻している。
そんな娘が気づくはずもなかった。隣に座る母親の顔からは、いつの間にか笑顔が消えてしまっていることを。
母の履いていたロングスカートは、右の太股の辺りだけが異常に上へとあがってしまっていました
そこから、隣に座る男の左手が入り込み、母の股間は今、大変なことになろうとしています。
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