ひろみさんの中はネットリとしていて、そして温かかった。母親となった女性の身体とは、男には安らぎを与えてくれるようだ。
使い古された、その言葉は適当ではないのかも知れない。特に母親任せで生きてきたような僕には、彼女は最高のオマンコでした。
挿入が終わったことを確認をした彼女は僕の腰に手をあて、その目を閉じてくれた。もう、僕に身体を任せてくれたのです。
緊張気味だった僕にも少し余裕が出来、彼女の中へと収められた自分のモノの確認をします。
(大丈夫。全然、萎んではない。)
その結果を知り、僕は腰を振り始めるのです。すると、目を閉じて冷静を保っていた彼女の顔が変化を始めました。
唇を強くつぐみ、閉じた目も更に強く押し込まれます。その変化は、僕にはどこか怖かった。
僕のモノで、ひろみさんが乱れるなどあり得ないと、どこか想像をしていたからなのでしょう。その変化が怖いのです。
『アッ…、アッ…、』
それでも、彼女は乱れ始めました。僕にオマンコを犯され、女の身体が感じて来ています。
僕はと言えばそれが快感となり、崩れていく彼女の顔を見ながら、それを楽しもうとしているのです。
そのために下半身への力はこもります。ガッシリと腰を固め、ひろみさんをグイグイと突きます。
『アァァ~!…、ハァァ~~ン…!、』
これまでになく、大きく声をあげた彼女。垂れた細い目は開き、下から僕の顔を見上げます。
それは、思わずが反らしたくなるほどに僕を見つめていました。
『うん…、うん…、』
ひろみさんは声をあげるなか、僕にうなずきます。言葉こそしませんが、気持ちがよいことを僕に伝えているのです。
『ヨシ兄さん……、』
そう声を掛けた彼女。もう分かっていたようです。僕がもう、限界に来ていることを。
そんな彼女の口から出たのは、『大丈夫です。私は大丈夫ですから…。』でした。
時間もなく、愛してもいない男のセックスを打ち切るタイミングはここと判断をしたのかも知れません。
体位を変えて続ける気は、もうなかったようです。
ひろみさんに伝えることもなく、ほぼ声も出さないままに射精を始めてしまう僕。
気持ちよさよりも、無事に終われたことの方が気になっていました。何度も彼女の身体へと叩きつけ、全てを終わらせるのでした。
窓から手を振る2人の子供。1時間以上も離れたため、居なかった母親が恋しいようです。
男の子は飛び跳ね、下の娘はひろみさんの身体に抱きつきました。僕は通り過ぎ、部屋へと戻ります。
ひろみさんに頼まれたお手伝いは終えたので、お役御免です。すれ違う母も、『寝るん?』といつものように声を掛けてきます。
ひろみさんは一度ソファーと座り、僕の母との会話を始めていました。その母は気づいたに違いありません。
僕とひろみさんの身体からは、同じ石鹸の匂いがしていたことを。もちろん、母がそんな野暮なことを聞くはずもありませんが。
部屋へと戻った僕はベッドに倒れ込み、目を閉じました。浮かんでくるのは、ひろみさんの顔。悶えていた彼女の顔です。
身体は疲れています。ほぼ8年ぶりに女性を抱いたのです。使わない筋肉を使ったことでしょう。
しかし、それ以上に僕を疲れさせたものがありました。それは、『兄の影』でした。
彼女を抱く僕は、僕ではありませんでした。常に彼女の反応を感じ、彼女の求めるままを演じていました。
その度に力加減やバランスを変え、自分の身体を彼女が求めるものへと変えていたのです。
もしかしたら、僕の身体は兄の身体だったのではないでしょうか。
今日の僕は、いったい誰を抱いたのだろうか…。
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