『はぁ~』
(どうしよう……)
プリプリ怒って、プリプリオシリを揺らしながら駅まで来たものの
田舎だからなのか、既に終電は終わっていた……。
それならばと思い、スマホで周辺を散策したけど
朝まで時間を潰せるような施設も存在しなかった……。
更に、そんな私に追い打ちをかけるように
引っ切り無しに絡んでくる漁師達。
今も四方八方から、漁師達の舐めまわすような視線を感じる……。
(こうなる事はわかっていたはずなのに……)
(どうして私は、飛び出して来てしまったのかしら……)
もう怒りも冷めて、後悔しかなかった……。
よくよく考えたら、そこまで怒る事でもなかった。
冷静になった今なら、夫の態度にも共感できる。
私だって、看護師のお仕事にプライドを持ってやっている。
だから、急患があるから来いと言われたら迷わず行くと思う。
(アナタ……ごめんなさい)
しかし、後悔しても遅い。
今から戻ろうにも、オートロックされた社員寮には入れない。
それに、こんな性獣達が蔓延るなか
再び、夫の社員寮まで歩いて行く勇気も気力も無かった。
もう、私に残されている選択肢は一つ。
裏通りの宿泊施設で、始発が出るまで過ごすしかなかった。
『はぁ~』
(危ないという噂だから、気は進まないけど……仕方ないわね)
(ここに居ても、いつか漁師達にお持ち帰りサレちゃいそうだし……)
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そうして私は一泊の宿を求めて
宿泊街がある"裏通り"に向かうことにした。
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