私は、レジの店員に目を合わさないまま、首輪をレジのカウンターに置いた。
早くこの場を立ち去りたかった…
『河上さん!?』
レジの店員に声をかけられた。
『えっ!?』
店員の顔を見るとお隣の奥さんだ。
相変わらず眼鏡をかけて真面目な顔をしている。
『河上さんちって、犬を飼っていらっしゃったんですね』
なんでまた、よりによってお隣の奥さんがここにいるのよ…
『あっ、これは…母に頼まれたんです』
慌てて適当にごまかしたが、明らかに変な目でみられている。
『あっ、そうだったんですね!変なこと聞いてしまってごめんなさい。
でも、隠さなくても大丈夫ですよ。主人から聞いてますから…』
『えっ!?聞いてるって!?なにを!?』
『あなた…犬よね』
『…』
私は無言で支払いを終えると店を出た。
あぁ…最低だわ。
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