もしかしたら、私にとっての『悪魔』にも、少しは思いやりがあるのかもしれない。
篠宮を忌み嫌う感情が無くなるわけでは・・・いや、少し薄まる事さえないが、そう思った。
涙を流しながら、私の中から少しでも多く・・・いや、一滴も残さず吸い出そうとしている玲子さんに、射精を終えてオチンチンを情けなくダランと垂らした篠宮は、少しバツが悪そうな声を玲子さんにかけた。
「・・・あー・・・んんっ・・・んー・・・」
ちゃんと、間違った事を自覚した声だった。
「んー・・・・・・・・・おい・・・」
玲子さんの姿を見る目は、少しは『悪い事をした』とゆう思いを浮かべているように感じた。
指先でポリポリと、頭の左右にしか残っていない白髪を掻いてもいた。
「・・・おい・・・おい、玲子」
篠宮の声が自分の名を呼び、玲子さんは動きをピタッと止めた。
固まった首を、無理やり篠宮の方に向けていく。
玲子さんには、それまで篠宮の顔が見えていない。
これまでの行動はたった一瞬だけ、嫌われるかも知れないリスクを、譲れない願望が上回っただけなのだ。
一滴も譲れない、自分に出されなかったのならせめて・・・と思い、舐めて吸ったのだ。
しかし、名を呼ばれてしまった。
不快に思っただろうか?
勝手な事をしたと怒られるだろうか?
まさか、追い出されるのかもしれない。
そんな恐怖に、美しい顔が固まっていた。
そんな顔を、ゆっくりと篠宮に向けていった。
「・・・旦那に連絡しろ」
口は、私を舐めていた時のまま固まっている。
「・・・玲子は、今日は家に帰らん」
何を言われるかを心に決めつけ、おそらく篠宮の言葉を理解していない。
だから悲しそうな表情に、美しい顔が歪んでいく。
フルフルと震え、怯えている。
「あーーー・・・伝わらんな・・・いや、そうじゃない・・・・・・泣くな・・・・・・・・・あーーー・・・・・・今日は、帰るな・・・泊まってけ」
そこからの行為は変態行為と変態奉仕の連続で、全てを嬉しそうに受け入れていく玲子さんを邪魔できははずもなく、応える篠宮を邪魔できるはずもないと思い 見守り続けた。
が、ホンネでは、『この両手と両足の拘束は、いつ解いてもらえるのだろうか?』と思っていた。
※元投稿はこちら >>