初めて見た瞬間の印象は、正直言って『最悪』だった。
隣に立つ旦那と比べれば20センチくらい背の高い・・・旦那の4倍は体重がありそうな体の男だった。
気を取り直して笑顔を作るのに苦労した。
鍋をよそい、酒を注ぐことに集中してやり過ごそうとした。
そして注がれる酒を飲み続けてしまった。
力強い視線を、最初は不快に思っていた。
心が警戒していた。
けれどいつのまにか酔い、いつのまにか不快感が消え、いつの間にか笑っていた。
次の日の10時過ぎ、インターフォンの画面で見た視線も力強かった。
「忘れ物をしてしまった」と言う言葉を信用していなかった。
けれど、私はマンションの自動ドアのロックを解除し、玄関の鍵を開けた。
リビングで左手に引き寄せられ、近づいてくる唇に目を閉じた。
何時間も続くキスに、いつの間にか自分から吸い付いていた。
自分から出した舌を、相手の口の中で動かしていた。
自分の口の中を舐める舌を吸っていた。
そうしながら、心が溶けてしまうのを感じていた。
だから体を押されても、そのままソファーに横になった。
「イヤ」と言ったが、服を剥ぎ取る手に抵抗しなかった。
「ダメ」と言いながら、全裸にされた私の足の間でズボンを脱ぐのを、何もせず見上げていた。
「イヤ」「ダメ」「ヤメテ」そう言いながら、ゆっくりと時間をかけて入ってくるのを受け止めていた。
私に抵抗の意思がない事を・・・欲しがっている事を見抜かれてしまっていると感じていた。
太い、苦しい、気持ちいい、、、そう感じると、「ヤメテ」と言わない私がいた。
死ぬほど長く感じた時間は、壁の時計がまだ10分しか経っていないと否定した。
けれど、旦那とでさえ5分も経験したことがない私には永遠に感じていた。
そしてさらに10分が経ち、私は人生で初めて絶頂した。
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