羽生が、電車に乗った頃…真理子からの返信のメールが届く。羽生はチラッと周りを見て、真理子のメールを読み始める……
『こんばんは…マスターさんに、後始末させた事…すみません…とお伝えください。次に会うのは…主人が居ない時でないと出掛けられません。また、メールします……。それと、そんな指示されても……何時でもなんて、無理です。家には主人が居るんです……そんな…無理言わないでください。…お願いします……』
羽生は真理子のメールを読むと、隣で眠る初老のサラリーマン風の男を横目に、返信のメールを打ち始めるのだった。
『わかりましたよ。マスターには、そう伝えておきます。でもね…僕の指示守るかは、真理子次第だ…守れなかったら…それまで……
言っておくけど、本当は真理子には拒む権利さえないんだよ?まだ、理解してないみたいだけどね……これから、仕込んでやるから…
もう直ぐ自宅に帰るから楽しみに…帰ったら、メールする…』
羽生はメールの文章を考えながら、真理子がこのメールを読んでいる表情を想像すると、口角を緩めてほくそ笑んで打ち終わると送信して…あと少しで自宅に着くのを待ち遠しく思うのだった。
一方…真理子は、康介が寝室に閉じ込もっている事を気になりながらも、羽生からの返信メールが来るのを待っていた…
しばらくして…突然、寝室のドアが開く。
康介:『………。』
康介は寝室から出て来ると真理子のいるリビングで目が合い、一瞬、無言でいると、重い空気に包まれて…
康介:『ちょっと…コンビニ行って来る…何か……欲しい物ある?』
康介は、重苦しい雰囲気を消すように、話し掛ける…
真理子:『あっ…ううん…いいわ……さ、さっきは、ごめんなさい………』
康介:『あ…ぅん…わかった。じゃあ、行ってくるね……』
康介は真理子に何か言いたげにしながら、玄関のドアを静かに閉めて出て行く。
真理子は、寂しげに出ていく康介を見ながら、申し訳なさそうな目で見送ると…持っていてスマホにメールが届く。
羽生からのメール…目を通すと「拒む事すら出来ない…」確かにそうだった、真理子には羽生に弱味を握られているのだ。しかし、今は、それだけでなく、羽生の前でマゾとして開花させられ、違う気持ちで拒む事すら出来ない事を自覚していて…
「仕込んでやる…」
その言葉に真理子の中で、その言葉に身体の疼きを覚えてしまっていて…次の羽生からのメールが気になってしまう自分がいて…
羽生は、駅を下りると辺りは暗くなっていて、街灯が灯るマンションまでの道程を歩いて帰る。
羽生は、あともう少しで、自宅マンションに着くという所でコンビニに立ち寄る。
自宅マンションから、ここしかコンビニが無く……よく、ここで買い物をしていて……
今日も、夕食の弁当と少し買い物をしようと立ち寄る事にした。
いつものように、コンビニに入ると雑誌コーナーの方へと向かう…一人の男性が立ち読みをしていて、羽生は、その男性とマスク越しに視線を交わす。
その男性の方から、一瞬、目が合うとお互いに小さく会釈する。
羽生は、その時に初めて、その男性が真理子の夫である康介とわかり、恐らく康介は羽生だとわかったのだろう……
羽生は、コロナ前には、たまに出勤が重なり駅のプラットフォームで会釈する仲で、康介に間違いはなかった。しかし、それ以上は、どちらともに会話まで発展する事無かった…
羽生は、その後、康介とすれ違うと適当に夕食の買い物をしてレジに向かうと、康介は、まだ雑誌を読んでいて…コンビニを後にする。
コンビニを出た羽生は、夫の康介が居ないと知り、羽生は直ぐに真理子にメールを打ち始めた。
『帰る途中…旦那さんを見たよ。今…居ないだろ?真理子一人かな?一人だったら、あと五分くらいでマンションに戻るから自宅の玄関の鍵開けておくこと……それと…今日、ちんぽ入れて貰った体勢で尻を突き出して待ってる事。わかったら…返信不要…いいな?』
羽生はメールを送信してマンションへと足早に帰宅するのだった。
そして…真理子に羽生からの二通目のメールが届き、目を通し…読み始めると顔を強ばらせ、心臓が締め付けられる思いで最後まで読む…
『返信不要』その言葉が、真理子に拒否権のないように思え、返信せずに…立ち上がり、玄関ドアの鍵を開けに行く…
あと五分…真理子は震える手でワンピースを脱ぎ下着姿になって、羽生が来るまでショーツを脱ぐのをためらうのだった。
(続く)
※元投稿はこちら >>