電車に乗車すると香代は橘の隣に座ろうとする。
「対面になる向こうの席に座ってください」
仕方なく車両端の橘の対面席に座る香代。時間帯のためか車両にいる乗客は少ない。疎らに空いている席が有るにも関わらず橘の隣に20代後半の眼鏡を掛けた男の乗客が座る。明かに対面の香代を狙ったような感じだ。
サマーコートで体を包むように覆い脚を閉じ膝上にバックを置き見えないように隠している香代。
香代のスマホにメールの着信が入る。
『ローターがポケットに格納されているか確認させて貰いますので私が分かるようにしてください』
香代はスマホから顔を対面に座る橘に向けるが、素知らぬ顔をされてしまう。メールで返信する。
『他の乗客に視られてしまいます。降車してからでは駄目ですか?』
『後での確認が今です。それに隣の男は期待してるんようだ。ホームにいる時から香代を狙ってたみたいだぞ』
『恥ずかしいです』
『香代は視られると感じる露出狂じゃないか。コートを広げて脚を開くんだ』
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