街路灯、電飾の看板、ビルの窓や店から漏れる明かりが片側一車線の周囲を照らし暗さを感じることはない。通りを歩く人は昼間とは異なり酔っ払い、残業で疲れきったサラリーマンやOLが目立つ。
男が運転する車はノロノロと進んだり停止したりと先になかなか進まないでいた。
「工事でもしてるのかなぁ」
香代は周囲を見回したりと挙動不審になって落ち着かない。開いた脚を閉じようしているようだが拘束具で出来ないでいた。
「お願いです。何か隠せる物を」
「それは出来ないですよ。奥さんは視られることで快楽を感じる体なんですから良い機会じゃないですか」
「嫌ッ、言わないで。お願いします。隠せる物を」
「おや、あの酔っ払い。こっちに近づいてくるぞぉ」
「早く隠せる物をお願いします」
香代は無駄だと思いつつも切願する。酔っ払いが近づくにつれて顔の表情をみるみる強張らせる。
「顔を伏せないでくださいね、香代さん」
停止している車の助手席の窓ガラスから堂々と覗く酔っ払い。連れの友人も加わり覗く人数が増える。香代はニタついた顔で物色するように覗かれるのが悍ましかった。彼らの話す『露出』『痴女』の言葉が聞きたくなかった。特に恥ずかしくて聞きたくなかった言葉が「おい見ろよ、スゲーはみ毛。ケツまでモジャモジャしてるんじゃねえか?おっぱいビンビンに勃ってるぜ!ヤらして~」だった。その声を遠回しに聞く酔っ払いとは別の人たちもフロントガラス越しに車を通り過ぎる時に覗いて去る。多くの視線がはしたない格好している香代を視るのであった。
停止していた車が進みだし、覗いていた酔っ払いを窓ガラスから遠ざける。
「人だかりが出来そうで。奥さんの魅力に寄せられるんですかね?」
男は開いた脚の剥き出しの太ももに掌をのせそのままパンティのクロッチ部にスライドさせる。
「凄い濡れようじゃないですか。オナニーしたいなら手枷を外しますよ」
香代はガラス越しの覗きに恐怖を感じながらも何故かムズムズしていた。敏感な部分に触れたいと思った矢先に男に言われた。
「…。…。お願いします」
「信号で停まりましたら手枷を外しますので」
車は徐行範囲から抜けスムーズに走る。この繁華街を二分する人通りが多い横断歩道の先頭で信号に捕まり車は停止する。男は香代の手枷を外す。香代は後悔していた。
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