僕が、先にベッドで仰向けに寝ていた。
みどりさんが、ベビードールのかわいい姿で布団に入った。
「ごめんちょっと見てくる。」
「はい。」って僕のコートを渡された。
みどりさんも、自分のコートを着ていた。
「私も、行くぅ。」って手を繋ぎ秘密の通路からお隣に入った。
静かに寝室に行った。
「なんだふたり揃って、初夜だろうよ。」
幸子さんが、振り返る。
「せめて客間で、寝かせてください。」
「好きにするが良い。」って寝返りした。
みどりさんは、和室に布団を2組用意した。
「勇ちゃんは、今日は別々のお布団でも良い?」
「あっ、ああぁ。」
お互いに夜中に、様子見の時には相手を起こさない。
そんな気づかいの気持ちは、同じ考えです。
僕は、母親同然だから心配です。
それにしてもみどりさんも、心配な顔つきが気になる。
「みどりさん何か知ってるね?」
「勇ちゃんには、話ししておきます。
実は幸子さんは、夜中の徘徊が始まっています。」
「それはぁ?」
「先日あのスナックに夜の帰りに、目撃しました。
気がついていなかった?」
「う~ん、いつも一緒の布団、あっ。」
「おそらく勇ちゃんが、夜勤勤務の時ですね。」
「う~ん、しかしなぜ?」
「これは本人には、まだ話さないでくださいね。
そろそろ認知症が始まるお年です。」
「どうしょう(泣)」っておろおろする僕だった。
「あの受け答えできる程度ならば、まだまだ初期症状です。」
「明日に、玄関通路は外してしまいましょう。
お隣の出入りを、自由化にします。
勇治さんのプライベートも、オープンになります。
隠し事できなくなりますけれども、大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だよ。
しかし幸子さんが、承諾するか?」
「大丈夫私には、考えがあります。
もう少しワイン飲みましょうか?」って誘われた。
リビングで、ふたりで飲み始まる。
幸子さんが、外出着になってふらふらと出て来ました。
みどりさんは、この監視の為の自然な振る舞い?
やはり鋭い。
「お義母さんどうしました?」
「みどりさんお買い物よ(*´▽`*)」
「さっきみんなで、お買い物しましたよ。
ほらぁ冷蔵庫満タンでしょう?」
「あっ、そうだったね。」
「だからもう安心して寝ましょう。」
「お義母さんも、まだ飲みますか?」
「若い者には、付き合いきれない。
まぁ夫婦仲良く飲みなさい。
私は、もうたくさん。
酔ったから寝るよ。
勇ちゃんあまり飲みすぎるなよ。」
「あっ、うん。」って驚いてしまいました。
「では、寝間着に着替えましょうか?」
「勇治は、本当に善き嫁さんもらった。」って寝室に行った。
幸子さんの行動には、唖然としてしまいました。
「大丈夫です。
安心してお休みになりましたよ。」
「幸子さんの頭の中では、僕らが夫婦なの?」
「そうね。区別ができなくなってきている。
強い希望が、現実を超えてる。
思った以上に認知症が、加速している。」
既にワインをふたりなので、2本開けたのに酔いが、覚めてしまいました。
「明日早くから、行動します。
私達も、寝ましょう。」って客間に戻った。
僕は、しばらくして寝てしまいました。
※元投稿はこちら >>