次の日の朝、目が覚めると妻はいつもと同じようにキッチンにいた。
先日の違和感のせいか、俺は無意識に家の中を、そして妻を観察してしまっていた。
いつもと同じ髪型、いつもと同じトレーナーの部屋着・・・
珍しくタイツを履き、スカートから伸びる妻の足は足首まで隠れていた。
妻が食事をテーブルに並べていく。
俺は「昨日のでも良かったのに・・・」そう言いながら、目の前に食器を差し出す妻の手に、トレーナーからはみ出た手首に、包帯が巻かれているのに気がついた。
俺が見ているのに気づいた妻が、咄嗟に手を引いた。
困ったような、後悔しているような表情だった。
「どうしたの?それ、、、大丈夫?」
「だ・・・大丈夫・・・大丈夫よ・・・少しぶつけただけだから・・・」
そう言う妻は、俺の方を見なかった。
少し変な雰囲気のまま、その日の朝が終わった。
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