ある日、インターフォンが鳴った。
それは、男からのメールが届かなくなって4日目の昼間だった。
麻衣子は、何時間も続けていたオナニーを止め、室内の受話器をとった。
画面に写ったのは田中だった。
相変わらず薄くなった髪の毛を隠しもしない、油でギトギトの髪型。
でっぷりと太ったメタボな腹と、腕を見ただけでわかる毛深い体。
いやらしくて不快な、ニタニタと笑う顔と、その唇からのぞくタバコで黄色く変色した歯。
全てが、男に連れられて出会った日からずっと嫌っていた。
見た瞬間に背筋にゾクゥっと、悪寒が走った。
不快で、不潔で、忌み嫌った。
けれど、私は受話器を置かなかった。
・・・置けなかった。
画面に写る田中は、ズボンのチャックを下ろしていた。
平日の昼間・・・
マンションの廊下・・・
そんな場所でズボンのチャックを下ろし、勃起したチンポをしごいていた。
そんな姿を見て、私は受話器を置かなかった。
「・・・ヘヘッ・・・なぁ・・・」
田中は、そのいやらしいゲスな笑顔をカメラに近づけて言葉を続けた。
「出てきなよ・・・なぁ・・・もうガマンの限界だろ?・・・なぁ・・・」
汚くて、下品で、卑猥な言葉と顔。
根拠なく勝ち誇った笑顔と声。
最低。
・・・けれど、私を言い当てていた。
「ヘヘッ・・・なぁ、もうガマンできないだろ?・・・なぁ、欲しいんだろ?」
何も言えない私に、田中は自分勝手に言葉を続けていった。
「ほら・・・抱いてやるよ・・・チンポ欲しいだろ?」
田中は、わかってると言った。
私をわかるんだ・・・と。
欲しいんだろ?
もう何日も放置されてるんだろ?
もうガマンできないんだろ?
今だって、マンコを弄ってたんだろ?
弄っても弄っても、満足しないだろ?
マンコしてもらわないと、もう無理だろ?
・・・私は受話器を置き、廊下を歩き、玄関の扉の鍵を外した。
田中は笑いながら、勝ち誇った顔をしながら、玄関に入って靴を脱いだ。
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