コトン
それは小さな音だった。
玄関の扉の郵便受けに、何かが入れられた経験はそれまで一度もなかった。
だから、それは麻紀が聞いた初めての音だった。
油の切れた摘みを回しながら、麻紀は扉の向こうに人の気配を感じていた。
しかし震える指を無理矢理に動かし、その紙を開いた。
そこには【脱げ】と書かれていた。
心の底に恐怖が芽生えた。
それはみるみるうちに心の中を満たしていった。
しかしそれと同じくらい強く、麻紀は『とうとうその日が来た』と感じていた。
指は変わらず震えていたが、麻紀はブラウスのボタンを外した。
スカートのチャックを下ろし、ブラのホックを外した。
そうして全裸になり、玄関の扉の鍵を外した。
※元投稿はこちら >>