バックヤードで制服を羽織り、引き継ぎノートに目を通していると、Yさんが慌てたように入ってきた。
Y「ごめんなさい!遅れました!」
羽山「え?まだ5分前だから大丈夫ですよ(笑)」
Y「いや、本来なら、10分前に来て引き継ぎノート見ないといけないですから。」
羽山「あぁ、今日の引き継ぎは、タバコの発注関係だから、店長が夕方来てやるから、大丈夫ですよ。」
Y「ホントですか?良かったー。」
Yさんは、薄緑色のカーディガンを脱いで、ロッカーから制服を出す。
カーディガンの下は白色の半袖ブラウスだった。
引き継ぎノートを見ながら、ふとYさんの胸元に目がいってしまった。
『案外胸おっきいな。』
普段はいつもYさんが先に出勤してきて、僕が来た時には既に制服を羽織っているから、見ることはなかったが、改めて見ると、胸が意外とあるんだな、ということに気付いた。
僕の見立では、少なくともDはあるだろう。
女性らしい身体つきしているんだなぁ、と思いつつ、パソコンのタイムカードプログラムで出勤ボタンを押した。
Yさんも、僕に続けて、出勤ボタンを押した。
羽山「それでは、朝の挨拶実施します!いらっしゃいませ!」
Y「いらっしゃいませ!」
出勤時の決まりごととなっている挨拶トレーニングを終えて、Yさんと僕はカウンター内に入る。
羽山・Y「交代しまーす。」
僕達は朝の早番のクルーと交代し、Yさんは、レジに鍵を差し込み、レジ点検を開始した。
Yさんは、銀行で勤めていたこともあるようで、僕よりも全然お金を数えるのが早いので、僕達の間では、交代したらYさんが点検、僕が接客、という暗黙の了解ができていた。
Y「誤差なしです。」
早番「お疲れ様でした。」
2台のレジの点検をあっという間に終えると、点検を待っていた早番の人達はバックヤードに下がっていった。
Yさんがパートを始めて、3ヶ月。
今では僕が教えることも皆無で、店長もYさんの仕事ぶりを見て、僕達二人に任せられると判断したのだろう。昼間に出勤することは、滅多になくなった。
Y「いらっしゃいませ!」
Yさんの声が響く土曜日お昼のいつもの光景だった。
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