カラオケに来るのは、大学2年の冬に合コンで行った以来だった。
Y「私もカラオケは結婚してから、あまり来ることなくなったなぁ。子供が幼稚園入ってから、ママ友とかと、たまーに来たりしてるけど。こうやって男の人とカラオケ来るのはまだ仕事してた時に職場の飲み会とかで行って以来だから、15年振りくらいかも(笑)」
羽山「旦那さんとは?」
Y「主人とわざわざカラオケなんか行かない(笑)あ、羽山君は何飲む?」
羽山「ウーロン茶で。」
Y「私もウーロン茶かな。」
そう言いながら、Yさんは、内線電話を取って、パーティーセットとウーロン茶を注文した。
しばらくしてから、サンドイッチやポテト等が盛り付けられた大皿とウーロン茶が届いた。
Y「ホントならお酒とか飲みたいけど、お互い運転するからね。とりあえず、お疲れ様でしたアンドまだ頑張って下さい。」
羽山「ありがとうございます。」
Y「さて、何歌おうかなぁ。」
Yさんはウーロン茶やサンドイッチを食べながら、タブレットで歌を検索しはじめた。
最初にYさんが歌ったのは、ダンスボーカルユニットの曲だった。
いかにも女子的な感じでまるで年齢を感じさせない。
歌い終わって、僕がちょっとびっくりしていると、Yさんが笑いながら言う。
Y「今、おばさんが歌う曲じゃないって思ってるでしょ(笑)いくら、40だからって、演歌とか聞かないからね(笑)」
羽山「いや、そんなこと思ってませんよ!ただ、歌ってる時の印象がまた違う雰囲気なんだなぁ、と思って。」
Y「やっぱり、バカにしてる(笑)」
羽山「違いますって(笑)」
Y「はい、次、羽山君。」
タブレットを渡され、僕に歌うように促すYさん。
格好悪いところは見せられないから、最初は自信のある歌を入れた。
画面に曲名が表示された。
Y「あ、これ知ってるよ。消防官のアニメの歌だ。」
羽山「あ。知ってますか。僕そのアニメ見てました。」
Y「うちも子供が好きで見てた(笑)」
とりあえず、掴みは大丈夫そうだった。
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