T銀行は最終選考試験まで残り、6月下旬の木曜日。
T銀行から、合否連絡の封筒が届いた。
ドキドキしながら、封筒を開く。
結果は、不採用だった。
僕は、どん底に突き落とされた気分になった。
採用担当に、熱意は充分伝えたつもりだった。
僕はYさんにLINEを入れる。
羽山【本命のところ、ダメでした……】
1時間くらいして、Yさんからの電話が鳴った。
Y「羽山君?今大丈夫?」
羽山「はい。」
Y「そう。残念だったね……。でも、下向かないでさ。羽山君にとっても、その会社は合わなかったんだ、って思うようにしてさ。」
羽山「はい。でも……受かりたかったなぁ……」
僕は涙声になっていた。
Y「……。」
僕の鳴き声を聞きながら、Yさんは黙っていた。
5分くらい僕は泣いていたと思う。
羽山「ごめんなさい。ありがとうございます。僕、大丈夫ですから。」
Y「羽山君、明日は暇?暇ならどっか行こっか。」
羽山「え?暇……です。」
鼻声になりながらも、Yさんから、どこかに行こうなんて誘われるのは初めてのことだから、驚いた。
Y「じゃあ、いつもの公園に、ちょっと早いけど9時くらいでどう?」
羽山「え?明日金曜日の特売じゃ?」
Y「あははは(笑)私、別に特売の日にしか買い物してないわけじゃないから(笑)」
羽山「そうですよね(笑)分かりました。じゃあ、9時に行きます。」
Y「うん。よろしく。じゃあ、切るね。あんまり落ち込まないようにね!」
羽山「はい。ありがとうございます。」
そうしつ、Yさんとの通話が途切れた。
Yさんから、デートの誘いがあるなんて思ってもいなかったから、僕は少し気持ちが明るくなった気がしていた。
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