春が迫り、本格的な就職活動が始まった。
僕は、本命の会社があったが、それはもう少し先だったので、とりあえず練習も兼ねて、中小企業数社にエントリーシートを送った。
そして、10数社くらい書類選考に通り、本格的な面接が始まる。
面接試験が始まると、昼間のバイトには出られなくなってしまうのが難点だった。
ただし、大学は三年までに卒業に必要な単位は全て取り終わっていたので、受講する講義は自分が個人的に興味のある語学等、別に落としてもいいものだったが、Yさんがいない日にバイトに入る気にもなれなかった。
就職活動は真面目に取り組んだ。
とにかく、自分の力で生活出来る力が欲しかった。
そうでなければ、僕が何を言ったところで、説得力も何もないからだ。
しかし、真剣に取り組むものの、結果は中々伴わなかった。
羽山「はぁぁぁ……」
僕は、Yさんとお昼を食べながらタメ息をついてしまった。
Y「元気出しなよ(笑)まだ、終わった訳じゃないんだから。」
羽山「いや、そうなんですけど、やっぱり全部落ちはこたえますよー(泣)」
Y「でも、まだ本命のところじゃないんでしょ?」
羽山「そうですけど…。」
Y「ちなみに、本命はどこなの?」
羽山「それは秘密です。」
Y「えー?そこ秘密にする?(笑)」
羽山「秘密なんです。」
Y「そっか。でも、諦めちゃダメよ。諦めたら、そこで試合終了だよ。って、古いから分かんないか(笑)」
羽山「知ってますよー。安西先生。」
Y「あ、知ってた(笑)よかった。知らなかったらジェネレーションギャップにうちひしがれてた(笑)」
羽山「いやー。あの漫画は今の若い人も読んだことある人多いですよ。」
Y「名作だもんね(笑)」
羽山「Yさんは、あの漫画で1番好きなシーンとか…」
なんだかんだで、Yさんと話しているうちに、Yさんのペースになり、元気を取り戻してきていた。
また明日からの就職活動も頑張れそうだ。
※元投稿はこちら >>