4月に入り、僕はバイトを辞めて、引っ越しを済ませた。
生澤「泰人も大したもんだなぁ。人妻との関係はきっちり絶ち切ってきたんだから。」
引っ越した翌日に部屋の片付けを手伝ってくれた生澤に、僕はお礼を兼ねて、プチパーティーを開いていた。
羽山「まぁ、絶ち切った、というか、絶ち切られた、というか。」
春休み中、何回か、YさんにLINEを送ったりしたが、返信が来ることはなかった。
一度、直接電話もしたが、どうやら、着信拒否されているようで、繋がることはなかった。
そういえば、僕はYさんの自宅を知らない。
バイト先の店舗からは歩くには遠い距離、というくらいしか知らなかった。
自宅を探そうと思えば探すことも可能なのかもしれないが、Yさんから拒否されてるのにそんなことをしたら、ストーカーになってしまうから、そんなこと出来る訳がない。
羽山「さて!明日早いから、そろそろ休むよ。生澤ありがとうな。」
生澤「おぅ!泰人は、明日入社式だもんな。俺は来週からだから、もう少し今を満喫するよ。じゃあ、元気でな。」
羽山「ありがとう。」
僕は羽山が出ていくのを見送り、机に広がった缶ビールの空き缶やつまみを片付けた。
時間を見ると、夜の10時半だった。
明日は、朝の9時から県立ホールで入社式が開かれる。
いよいよ、僕の社会人生活が始まるのだ。
僕は、着替えを持って、お風呂に入ることにした。
決して広くはないが、一人暮らしなら十分な広さだ。
シャワーを浴びながら、僕はYさんをおかずにオナニーをした。
この新しい住まいで初めてのオナニーだったので、相手は絶対にYさんにしようと決めていた。
羽山「うっ……………あっ………はぁはぁ。」
シャワーのお湯で排水溝に流されていく精子を眺めた後、僕は体を洗い始めた。
翌日は、6時半に起床し、僕は朝食を食べて、洗面をしてから、朝のニュースを見ていた。
新聞受けに、日経新聞が投函される。
就職活動中から読み始め、銀行員には必須の新聞だとYさんからも聞かされていたので、僕は引っ越し当日には定期購読を申し込んだ。
記事に目を通すと、正直、まだ僕にはピンとくる内容ではないが、知識として蓄えておかなくてはならない。
Yさんなら、きっとこういうことも、しっかりやっていたんだろうと思う。
僕は、新聞を一通り読み終えて、髪型を整えてスーツに着替える。
親に買ってもらったビジネスバッグと、今日は資料が多いと言われているので、リュックサックも背負い、家を出た。
9時からの入行式を無事に終えて、僕も他の同期達と同様、参列した両親とホール前で記念撮影をした。
午後から銀行の用意したバスに乗り、研修施設に移動するようだ。
参列した両親に別れを告げて、僕はバスの停まっている場所に移動するため、ホール前の長階段を降りていると、階段下に見覚えのある顔を見つけた。
Yさんだった。
Yさんは、黒のワンピースを着ており、周りの参列者から浮かないような出で立ちをしていた。
Yさんも、僕を見つけると、笑顔で僕に手を振った。
僕はYさんの元に駆け寄った。
羽山「Yさん!どうして?」
Y「んー?高校の同級生がさ、Y銀行で働いてて、久々に連絡取って、時間と場所教えてもらったの。」
羽山「そうなんですね。嬉しいです!」
Y「羽山君のことも、何かあったらヨロシクってお願いしたから。でも、内緒よ。」
羽山「もちろん、分かってます。」
Y「それから、一人暮らしするんだよね。はい、これ。」
Yさんは、僕に小さな茶色の紙袋を渡してくれた。
羽山「これは?」
僕が紙袋を開いて中を確認しようとすると、Yさんは慌てて口を開いた。
Y「ストップ!ストップ!家に帰ってから開けること。玉手箱だから(笑)」
羽山「なんですか、それは(笑)分かりました。ありがとうございます。」
Y「さて、これからは銀行員として頑張らないとね!」
そう言いながら、Yさんは僕のネクタイの結び目を整えてくれた。
Y「これは、主人以外の男の人にはしたことないからね。」
羽山「ありがとうございます。」
Y「ギリギリ、姉ってことでいけるかなぁ?(笑)」
羽山「いけます!全然(笑)」
Y「そう(笑)じゃあ、とりあえず記念撮影を(笑)」
そう言いながら、Yさんはスマホを出して僕の肩に顔を寄せて自撮り体勢になった。
Y「いくよー。はい。」
パシャッ
スマホのシャッター音がする。
羽山「じゃあ、次は僕も。」
僕もスマホを取り出して、自分のスマホで記念撮影する。
そして今度はYさんにカメラを向ける。
Y「ちょっと!(笑)意味分かんないじゃん!(笑)」
羽山「いや、記念に一枚だけ!」
僕はYさんに制止される前に急いでシャッターを押した。
桜をバックにして笑った顔のYさんが撮れた。
Y「もー!(笑)私が入行するんじゃないんだから!(笑)」
羽山「忘れないように、記念ですから!(笑)」
Y「しょうがないね(笑)」
羽山「じゃあ、僕そろそろ行かないとダメなんで。」
Y「うん、分かった。じゃあ、ホントにサヨナラだね。体には気を付けて。」
羽山「はい。Yさんもお元気で。」
Y「ありがとう。それじゃ、私帰るよ。」
羽山「はい。今日は来てくれてありがとうございました。当行をご利用の際はぜひ私に御用命を。」
Y「いっちょまえに(笑)じゃあねー。」
Yさんは僕に背中を向けて道路に停めてあるミニバンに向かって歩き始めた。
運転席には旦那さんが乗っており、僕に向かって微笑みながら会釈した。
僕も会釈を返し、助手席に乗る直前に再びこちらを向いて手を振ってくれたYさんに手を振り返した。
Yさん達が乗ったミニバンが出発し、僕もバスへと乗り込んだ。
家に帰宅して紙袋を開くと、中にはビニール袋に丁寧に入れられた下着が入っていた。
その下着には見覚えがあった。
僕が始めてYさんを意識することになった事件の時に着ていたピンク色のブラジャーに、ブラジャーと同じデザインをしたシースルーのショーツだった。
羽山「へぇ。下はこんなパンツだったんだ。」
中には短い手紙が入っていた。
羽山君へ
今までありがとう。
これでお別れは寂しいけど、私にも、人生の思い出の一つになりました。
ちょっと古くて、いらないかもしれないけど、二人の最初の思い出の事件の時に着ていた下着です。
彼女が出来る前には捨てるようにね(笑)
追伸
下着は、昨日の夜の10時半頃に私が羽山君をおかずに1人でした時に着けていた下着を今朝起きた時に脱いだものです(笑)夫には内緒でね(笑)
羽山「はは(笑)昨日、お互いに同じ時間にお互いおかずにオナニーしてたんだ。」
僕はそう呟くと、ビニールから下着を出して、ショーツの匂いを嗅いだ。
間違いなく、Yさんの匂いのするショーツだった。
これが、僕の人生では非日常的な、普通では経験することの出来ない貴重な寝取られ人生の始まりの終わりだった。
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