年が明けてからYさんと再度会うことはなく、2月になった。
YさんとLINEはするものの、向こうから誘いのLINEは来ない。
またモヤモヤする日々の始まりだ。
たまに店で交代の時に顔を合わせたりすると、あの日のYさんは嘘だったのではないかとさえ思う。
そんな2月中旬の土曜日のことだった。
仕事を終えて、店の外に出ると、僕のバイクの目の前に、Yさんのミニバンが停まっているのが見えた。
僕は嬉しくなり、ミニバンに走って近付くと、運転席から降りてきたのは、旦那さんだった。
K「こんにちは、羽山さん。ですよね。」
羽山「あ、はい。」
K「いつもYがお世話になっております。Yの夫のKと申します。」
羽山「はじめまして。羽山と言います。」
K「今、お時間大丈夫ですか?」
羽山「はい、多少なら。」
Yさんの旦那さんに僕は少しだけ警戒しながら答える。
K「ここだと寒いんで、どうぞ車に。」
羽山「え?どっか行くんですか?」
K「あ、どっかでコーヒーでも飲みながら、と思ったんですが…。」
羽山「はぁ。え?僕バイクありますよ?」
K「あぁ、もちろん最後はこちらに送りますよ(笑)別にさらいに来たとかじゃないですから。」
羽山「はぁ。なら。」
そう言って僕はミニバンの助手席に乗った。
Kさんは車を発進させ、コンビニを出た。
しばらく沈黙の時間が流れた後、Kさんから口を開いた。
K「Yの運転するこの車何回乗りました?」
羽山「えと5、6回くらい?ですかね。」
K「あいつ、あまり運転上手くないですよね?(笑)」
羽山「僕、車あまり運転しないんで。」
K「そうですか。あ、ちなみに、Yから聞いてます?私の性癖的な話。」
羽山「はぁ。少しだけ聞きました。」
K「理解出来ないですよね?普通。」
羽山「まぁ……はい。どうして、あんな良い奥さんがいるのに……って、僕が言うのはおかしいですけど。僕なら絶対にYさんに、そんなことさせません。」
K「それが当然ですよ。あ、ここでいいかな。」
そう言うと、Kさんは、国道沿いにあるコーヒーショップの駐車場に車を入れた。
K「ですよねぇ。」
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