少しの沈黙が流れる。
そして、Yさんは笑いながら口を開いた。
Y「あはははは(笑)ゴメン、笑っちゃいけないんだけどさ(笑)」
そう言いながら、右手で左腕を掴む僕の手を離した。
羽山「僕、本気ですよ?」
Y「うん、この状況で言われると、冗談とは思ってないよ(笑)本当に本気なんだな、と思う。」
羽山「はい。本気です。」
Y「うん、ありがとう。いや、この年でそういうこと言われるとは思ってなかったなぁ。いくつになっても、嬉しいには嬉しいね(笑)」
Yさんの顔から笑顔が消える。
Y「でもね、分かってると思うけど、羽山君のその気持ちには私は応えられない。ごめんね。」
羽山「そう……ですよね。」
Y「私は、主人が世界一好きな女で、主人も私のことを世界一愛してくれてるの。羽山君のことも、もちろん好きだけど、残念ながら、羽山君は今は5番手なんだなぁ。」
羽山「ええ!?そんなに低いんですか!?」
Y「うん(笑)主人と同率1位が息子三人だから。あ、そう考えると、主人は4位かな?(笑)」
羽山「旦那さん、低くなった(笑)」
Y「低い、低い(笑)でも、主人は私のことが世界一なのは間違いないかな。うち娘いないから(笑)」
羽山「旦那さんには負けない自信あるんですけど…ね。」
Y「ん?そんな、ライバル心抱いても、勝てっこないわよ(笑)私だって、たまにドン引きするくらいなんだから。実はね、このケーキ、主人に言われて持ってきたのよ。」
羽山「え?…………えぇぇっ!?」
Y「ほらね(笑)普通あり得ないわよね(笑)パート先の大学生の男の子にケーキ持ってけ、なんて言う男。」
羽山「は……はい。もしかして、旦那さん、気付いてない?天然?」
Y「ま、私達夫婦は色々あるから(笑)だから、とにかく羽山君の気持ちは嬉しいけど、私はそれには応えられません。だから、今の関係が限界です。」
羽山「はぁ。何となく分かったような、分からないような。」
セックスをする関係だけど、付き合っている訳ではないから、セフレが限界。
僕はそう解釈した。
Y「寒い!じゃ、そろそろ本当に帰るね。」
羽山「あ。じゃあ、キスだけでも……」
Y「ブッブー。残念。今日は流石に主人以外の男の人には出来ません。」
羽山「そうですかぁ。」
Y「クリスマスだからね。今日の私には、ケーキが限界(笑)」
羽山「あ。でも、ケーキありがとうございます。旦那さんにも、よろしくお伝え下さい。」
Y「はーい。じゃ、メリークリスマス。」
そう言ってYさんは車に乗り自宅へと帰っていった。
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