そこは立ち並ぶ雑居ビルの中の一つで、だからこそ黄色や赤のネオンが目立っていた。
コンクリートの塀に囲まれた狭い路地は、アダルトショップの文字を一際異質に感じさせていた。
そして私はそんな異質な空間に、手を引かれるまま入っていった。
そこは、入った瞬間にわかるくらい異質な空間だった。
窓のない、いや窓があったとしても黒い布で塞がれた、真昼間だというのに蛍光灯の光しかない空間。
通路の両脇の棚には赤や紫やピンクのローター、グロテスクな形のバイブ、アニメの女の柄をしたオナホールが陳列されていた。
他の棚にはアダルトビデオが並んでいたが、私が感じていたのは数人の先客、見知らぬ男達から向けられる視線だった。
「へへへへ・・・ほら、こっちだよ」
そう言って小杉は、私をコスプレと大きく書かれたコーナーに連れていった。
そうして紐のようなブラとパンツのセットを選び、店員に試着させてくれと言うように命令した。
できるはずかない
そんな事をするはずかない
恥ずかしい
「へへへへ・・・試着室のカーテンは閉めるなよ?・・・お前は変態なんだよ」
私は頭が麻痺したような感覚に襲われた。
もしかして、そうしたいのか?私はそうされたいのか?・・・したいのかもしれない。
そんな事を考えながら、私はカウンターに向かい店員に 小杉が選んだ紐のような衣装の試着を頼んでいた。
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