「結衣、もう逝っちゃったのか? だらしないなあ。」
溝口は上機嫌で腰を振りながら話し続けた。
「塚原君、結衣の初体験の相手、俺だって知ってた? 知らないよね。文化祭の準備で夜遅くまで教室の飾りつけをしてたのよ。
そしたらさ、結衣のおせっかいな友達の何とかていう子が、溝口君、結衣が君のこと好きなんだって、ていうのよ。俺さ、その時性欲持て余して
たからさ、結衣を夜中にバスケの部室に呼び出してやっちゃったのよ。でも心配しないで、1度だけだったから。君と結衣が文化祭の後
付き合い出したの聞いて、俺思ったよ、捨てる神あれば、拾う神もいるもんだって、アハハハハ。まさかその二人が結婚するなんてね、
これ、めっちゃウケルよねえ。」
俺は怒りでワナワナと全身が震えた。
「わっかったよ。気のすむまでバカにしろよ。俺は結衣の夫で、結衣は俺の妻なんだよ。お前に何がわかるって言うんだよ。」
その時結衣が立ち上がった。
「急に冷めたわ。溝口君、終わりにしよう。私、健太と一緒に帰るから。」
それには溝口があわてた。
「ちょっと待ってくれよ、俺まだ逝ってないんですけど。何で急に止めるのよ。」
「だから冷めたんだって。やりたいんだったら、その辺のあばずれとでもやってなさい。健太、帰るわよ。」
俺にしてもこれは想定外の展開だった。
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