彼女のお店の扉には、カギは掛けられてはいなかった。暗い店内を抜けると、加代子さんがこちらに向かって来ているのが分かる。
さっきまで一緒に居たはずなのに、『こんばんわぁ~。』と声を掛けたのは、やはり手に持ったカバンが気になるからだろうか。
そのカバンは玄関には持ち込まれず、お店の暗いところへそっと置かれることとなる。
現れた加代子さんはお風呂を済ませており、地味なパジャマに着替えていました。さっきとは顔付きも違っていて、やはりここは彼女のホームなのです。
『お風呂、済ませて来てる~?』と聞かれたので、『寒い。もう冷えたから、一緒に入る~?』と答えたが、これも却下されてしまいます。
『ごはん食べてもいい?まだ食べてないのよぉ~。』
そう言って、キッチンへと向かった彼女。僕もいつものようにソファーへと据わりますが、どこか落ち着かない。
どうしてもお店に置いたカバンのことが気になり、もう自分ではないのです。バイブを食わえこみ、犯されたように喘ぐ加代子さんの姿しか見えないのです。
午後9時。そのタイミングがなかなか訪れません。ここに来て、『こんなもの買って来たよ。』の一言が
言い出せないのです。
そして、明らかにキッチンで最後の片付けを始める加代子さん。『無理かぁ~。』と諦めてしまう気持ちも出てきます。
そんな僕は考え考え、ある光明を見つけ出すのです。
『加代子さん~?もっとエッチな服着てよぉ~。』
振り向いた彼女の顔が笑っています。『えぇ~?…、』と言って、照れたのはそのあとのことです。
『パジャマじゃ、ダメぇ~?…、』とはにかんだ彼女は、『なら、少し待って。ちょっと探してみるから…。』と2階へと先に消えたのです。
僕に、千載一遇のチャンスが巡って来ました。靴も履かずに急いでお店へと走り、隠したカバンを取り上げます。
そのまま、2階へと駆け上がり、彼女より先に寝室へと駆け込むのです。持っていたバッグはベッドの下へと滑り込まれました。
緊張もあったのか、僅かあれだけの距離を走っただけで、『ハァ~…、ハァ~…、』と呼吸が荒くなってしまっています。
呼吸を整えながら、となりの部屋で着替えているであろう加代子さんを待つのです。
10分くらいが経った頃、となりの部屋の扉が開き、出てきた彼女の足音が聞こえて来ます。その足音を聞くだけでも、この後の展開を気にしてしまう僕。
たった2つの大人のオモチャが、新しい加代子さんの姿をきっと見せてくれるはずです。妄想が止まりません。
『カチャ。』っと扉が開き、着替えた加代子さんが現れました。そして、僕の妄想もそこで終わってしまうのです。
現れた彼女は、見たこともない服を身に付けていました。それは白いシルクのベビードール。透けてはいませんが、いろんな模様が施されています。
切り込みの入った胸元からは、その大きさを強調する谷間。肩には4本の細い紐が掛かっていて、着けているブラジャーも白系だとも分かります。
それは明らかに新しく購入をしたものでした。
完全にやられました。加代子さんも僕と同じことを考えていたようです。
※元投稿はこちら >>