『ナオ~?ごはん自分で作って、食べられる~?ごはんだけは炊いておいてあげるから…。』
母がそう言ってきたのは、ある金曜日の夜だった。聞けば、明日の昼くらいから出掛け、他県に住んでいる親戚の家へと行くらしい。
母が家を空けるなど、もう何年もなかったこと。『珍しいこともあるものだ。』と思いながらも、『勝手にするから。』と言ってあげるのです。
母が出掛けた、土曜日の午後。僕は加代子さんのお店の中にいました。お客さんは誰もいないのですが、彼女は店主として僕に接します。
そんな彼女に、『ねぇ?今晩、うちに来ない?』と誘っていました。もちろん答えは『NO』です。そんな軽率なことをする人ではありません。
それでも何とか粘ろうとする僕は、『なら、夕食だけ作りに来てくれん?食べたら、またこっちに帰って来ましょう。一回、うちに来て?』と言ってみました。
それでもいい顔はしなかった加代子さんでしたが、最後は僕の駄々に観念をしてしまったようです。
午後7時。裏口のドアが開きます。最近、ウォーキングを始めていた彼女が、ウェアのままに現れました。手には、脱いだ反射ベストが持たれています。
小さな声で、『お母さん、ほんとに居ないの?』と聞いてくる彼女。やはり、そこだけは心配なようです。
『居ないよ。親戚のとこ行った。』と言っても、なかなか他人の家には上がり込みづらいようです。
おそらく、加代子さんが初めて見たと思われる我が家のキッチン。彼女には、それはとても狭く感じたことと思います。
冷蔵庫が覗かれました。少し考えた彼女は、今度は冷凍庫の方を見ます。小分けにされたビニールの袋を見ながら、主婦の献立が決まっていくようです。
『ナオちゃん、そぼろとか食べる?』、それが主婦加代子さんが出した結論。もちろん、僕がそれを否定などするはずがありません。
キッチンへと立った彼女。母親のそんな姿など見たこともないのに、その姿はとても新鮮で、僕は近くにあったイスを出して座り、彼女を眺めるのです。
調理台からは湯気が立ち始め、醤油の匂いが広がり出しました。彼女は調味料を探しながら、それを振り掛けています。
その隣では鍋が掛けられ、味噌汁も作られているようです。それはいつもの光景かも知れません。
しかし、それを作っているのは母親ではなく、上下のウォーキングウェアを着たままの川田のお母さんなのです。どこか不思議な感じがしました。
しはらくして、テーブルの上にはそぼろ丼と味噌汁、そしてもう一品は手早く作られたようです。テーブルには、一人分しか並びませんでした。
さすがに、彼女の分は作らなかったみたいです。『食べて?』と言われ、いつもとはちがう味の夕食となりました。
しかし、それはどこかで食べたことのある味。僕はすぐに思い出し、加代子さんに伝えました。
『あのねぇ~?このそぼろ、僕、食べたことあるわぁ~。川田くんのお弁当によく入れてなかった?』
聞いた加代子さんは、不思議そうな目をしています。
『よく交換して食べたのよ~。川田のお弁当、いつも美味しそうだったから…。』と伝えてみました。
彼女は『そうなの~?知らなかったぁ~。』と嬉しそうな顔をしていました。きっと、息子の秘密をまた1つ知れたからでしょう。
食事が終わり、加代子さんは今度は洗い物を始めます。僕はと言えば、風呂場の蛇口をひねっていました。
湯気が廊下へと伝わり、キッチンにもお湯の匂いがし始めます。気づいた彼女は、『ナオちゃん、お風呂済ませてから、うちに来る?』と聞いて来ます。
更に、『なら、おばちゃんも家でお風呂に入るから。』と釘をさすように言ってくるのです。
その時、彼女はまだ僕の存在には気づいてはいなかったようです。そっと忍び寄っていたことに…。
キッチンに立つ加代子さん。着ていたグレーのウォーキングウェアが、強引に下へと下げられました。
最近ウォーキングを始めたばかりで、まだその成果は見えてなく、パンティーの食い込んだ大きなお尻が現れてしまうのです。
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