彼が加代子さんのお店を次に訪れたのは、1ヶ月後。この日は奥の住宅の方にまで招かれました。
仏壇の前では、手の合わせ方も分からず、ただ見よう見まねで頭を下げている。『ありがとうねぇ?この子も喜ぶわぁ~。』と言う彼女の言葉が妙に嬉しい。
女性と話をすることがない彼には、話し掛けてくれる加代子さんは天使に見えた。『俺、女と話をしているぞぉー!』と自然と顔もほころんでしまうのです。
リビングに通されたが、ほとんど彼が話をすることはない。気を使った彼女が場を仕切ってくれている。
『はい。』『うんうん。』『へぇ~。』とレパートリーの少ない返事しか繰り返せてないが、それでも女性と話が出来ている自分が楽しいかった。
『また、いつでも来てよ?』と声を掛けられると、『1ヶ月に一度来よう。』とそれはそのまま彼の恒例行事として組み込まれていく。
『また、ここに来られる。』と吐き違えてしまうのです。
そしてこの日、テーブルの上に置いてあったはずの小さな『髪止め』が1つ無くなっていました。髪を束ねている加代子さんが置いたものでした。
無くなったそれですが、数時間後には本来の使われ方をしてはいません。46歳の男の舌に舐められ、『俺の加代子ぉ~!』と声まで掛けられてしまうのです。
『加代さん、一人寂しいやろぉ~?』
突然の彼からの言葉に、加代子さんは動揺をしていました。向こうから話し掛けてくるなど、これまでなかったからです。
『私~?そうねぇ~。』と答えた彼女ですが、突然そんな質問をしてきた信哉の意図が分からず、疑いの眼差しを向けてしまう。
信哉の方と言えば、それは昨日から考えて来たこと。彼の中にも考えたストーリーがあり、それは始まりのセリフでした。
『よかったら、何でも言ってよ?俺、力になるから。』と言う彼に、『ああ、ありがとう~。何かあったらね。』と彼女は答えるのです。
『未亡人』『一人寂しい』『欲求不満』『オナニーで慰めている女』『男ならなんでもいい』、枯れの頭の中には歪んだ加代子さんの姿ばかり。
そんな彼女の返事を聞き、彼は誇らしげにこの家を後にしました。彼はもう、加代子さんを手に入れたような気分なのです。
信哉が帰ると、加代子さんの身体はドォ~っと疲れに襲われます。従弟とは言え、あの子供のような人間の相手をするのは大変なのです。
そんな彼女は、ふとテーブルの上に無くなり掛けていた髪止めを見つけます。それを手に取ると、無くさないようにと彼女は髪へと挿すのです。
それが、信哉の唾液や精液にまみれていたとも知らずに…。
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