『ウァァ~!…、ダメぇ~~!…、』
突然その身体を一気に貫かれてしまった彼女は対処が出来ず、悲鳴をあげていました。それでも気にせず、力強いピストンを始めてしまう僕。
憎悪やねたみ、『加代子さんの初めての男になれなかった。』という思いがこの女を犯してしまっていました。
あんな清楚な顔をしていても、『汚れた女、もう汚された女』と彼女をそんな目でしか見ることが出来ません。
あたるお互いの身体が激しく音を立てます。強く『気持ちいいやろ?』と聞きますが、今の彼女にはその余裕はありません。
自分のポジションもロクに作れないままに、男のモノが押し入って来ているのです。腰は勝手に動かされ、男の意のままにされてしまっています。
『気持ちもやろ~?どお~?』と聞かれ、もうその選択肢はありません。『気持ちいい…、気持ちいい…。』、震える声が加代子さんの口から出ます。
それを聞き、ますます僕の腰は元気をもらうのです。
『アァ~…、アァァ~…、』と繰り返される喘ぎ声。その声を聞き、ようやく僕は冷静さを取り戻したのかも知れません。
それは、大人の女性の声。若い女性では出せない、心の心地よさを求めてくる声。どこか落ち着きがあり、なごみのようなものを僕に与えてくれます。
身体の快楽だけを求める僕には、とても新鮮なものなは感じるのです。
僕は、彼女から離れます。仰向けにさせた加代子さんの目は潤んでいました。気持ち良さなのか、犯される悔しさなのかは僕に分かりません。
彼女の上と乗り、『愛してる…。』と伝えます。そっと頬を寄せ、擦り付けながら愛を確かめ合います。それはとても心地のよいもの。
顔を上げて、彼女の目を見た僕は、『ナオって呼んで欲しい。』と伝えます。もう、『ナオちゃん。』では満足出来ないのです。もちろん、彼女ですから無言の抵抗をします。
それでも、『僕、「加代子。」ってちゃんと呼んでるでしょ~?僕だって、照れくさいんよ?』と本音を伝えました。
彼女の目は笑っていました。微笑んでいたと言った方がいいのかも知れません。それは温かく、グズる子供を見ているような母親の目でした。
『ナオって呼んで、ナオちゃんのお母さんに叱られないかしら?』と言ってくる彼女に、『なら、僕を子供だと思ってみたら?』とバカな提案をしてみます。
彼女は『フフフ…。』と笑い、『ナオちゃんがおばちゃんの子供になってくれるのぉ~?』と呆れたように笑います。
そして、『そんなことしたら、ナオちゃんとこんなことしてるのは間違っているってことになるのよ~?』と問い正してもくれるのです。
それは、まさに母親と子供の会話だった。子供の意見をちゃんと聞きながら、それを正解へと導いてあげる。加代子さんが見せる、母親の姿でした。
『ナオ…?』
照れくさそうに僕を呼ぶ、彼女の声。それは母親の彼女が、子供の僕に伝えてくれた答えだった。
『あなたが私の子供になるのではなく、私があなたの女になれば全てが解決をする。あなたのお母さんのことなど、放っておけばいい。』、そう言っている。
呼ばれた僕も、呼んだ彼女も顔は真っ赤になってしまっていた。そんな彼女は真面目な目をして、『私の名前も呼んでください…。』と伝えて来ました。
『加代子~…。』と呼ぶと、そこには笑顔があった。その笑顔は、僕の女となったこと彼女自身が認めたと、僕には感じてしまうのです。
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