『姉さん、ありがとねぇ?』、加代子さんの言葉で、僕達は腰を上げます。長くおじゃまをしてしまったこの家ともお別れです。
先に靴を履いた僕は、加代子さんを待ちます。奥で二人はヒソヒソと話をしているようで、『大丈夫!誰にも言わへん。』と吉川さんの声がしてくるのです。
加代子さんは靴を履き、『それじゃ、姉さん。失礼します。』と挨拶をします。僕も頭を下げますが、吉川さんから声を掛けられました。
『今から、この娘のとこか?』と聞かれ、何も決めてないのに僕は、『たぶん…。』と答えます。
すると、『はいはい、今から仲良くするんやろ~?ええなぁ~。』と茶化してくるのです。それには、笑って、『仲良く?しますよ!』と答えました。
最後に、『ええなぁ~。おばちゃん、覗きに行こうか?』と言われ、『エッチなとこ、見れるかもよ~?』と返して終わります。
外は更に雨が強くなっていました。風も吹き、たった三軒隣の家なのに、着くと髪も服はびしょびしょ。
お店のカーテンは閉められ、向かった玄関で濡れた防寒のジャンパーを脱ぎます。急いで、奥へと入っていく彼女。
リビングの明かりが灯り、キッチンへと向かった彼女は主婦の顔へと戻ります。さっきまでの泣き顔は、もうそこにはありません。
ソファーへと座った僕の前に、熱いお茶が出されました。座ったおばさんも、神経をすり減らした身体がグッタリとなっていきます。
『いろいろ、ありがとうねぇ~?』
湯呑みを手にした加代子さんが、そう言ってきました。『ふん、やっばり大変になったねぇ?』と普通に
言いましたが、僕もいっぱいいっぱいでした。
彼女は、『ほんと助かりました。ありがとうございました。』と丁寧に頭まで下げてくれます。二人のことなのに。
そんな僕は、『おばさん、もう今日はダメやね~?』と言ってみます。おばさんは、『?』という顔をします。
『今日はもうダメやで。僕の言うことは、全部聞かんとダメやなぁ~。』と言い、更におばさんはキョトンとなります。
しかし、本心は違います。彼女も、だいだいのことには察しがついているのです。
『お風呂で、どんなことしてもらおうかなぁ~~。』と言うと、『もぉ~~。やめてぇ~。』と彼女にもようやく笑顔が戻るのでした。
しかし、まだあるお風呂の時間まで、二人は待てなかったようです。リビングで抱き合い、一週間ぶりのキスは狂ったようなものとなっていました。
加代子さんの服を脱がせに掛かれば、彼女の手も自然と僕のシャツのボタンへと掛かります。彼女もまた、僕を欲しがっているのです。
二人は立ち上がり、2階の寝室へと向かいます。僕は彼女から剥ぎ取ったスカートを捨て、小まめな彼女もリビングの明かりを消すことも忘れています。
手を繋いで階段を上がりながら、『覗きたそうだから、吉川さん呼ぼうかから?』と言ってみます。
それには加代子さんは、『もぉ~、やめてぇ~。』と言い、笑っていました。彼女の笑顔も、100ったみたいです。
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