薫子の車は村元くんの住む町、つまり僕の住む町へと向かっていました。夜で真っ暗な車内。
鏡越しながら、担任の裸体を見てしまった彼の口からは言葉は発せられません。
それを分かっている薫子も、あえて彼との会話は望みまないのです。
重い空気に耐えられず、彼の顔が外へと逃げました。その瞬間、薫子の手は着替えたシャツのボタンを、上から2つ外します。
暗くて見えないのを分かっていて、それでも気持ちだけは助手席に座る男子生徒を誘惑してるように楽しむのでした。
そして、2学期。薫子はある大きな仕事を引き受けてしまう。それは、文部省が行っているイベント。
授業をしているその姿を、お偉いさん達数人が見に来るのだ。そのため、普通の授業ではなく、ある程度シナリオがあるものとなる。
つまり、生徒数人との協力なくして、成功はありえないのだ。
そして、薫子自身が6名の生徒を指名する。その中には、もちろん村元くんの名前もあった。
それから数日間、薫子と6名の生徒は放課後に集まり、授業と言う名の1時間の芝居を覚えることとなるのです。
しかし、ある時に一人の生徒が爆発。その場を去ってしまいます。それがあの明るい村元くん。彼は反抗期に入っていたのです。
そして、稽古の最終日。薫子は、どうしても村元くんを掴まえる必要がありました。なんとかして、放課後に連れてくるのです。
他の生徒の練習は終わり、それぞれ先に帰らせました。そして、遅れをとっている彼だけが居残りをさせられるのです。
それを不服として、彼は席を外れ、教室の床へと座り込みました。
彼自身、反抗期の自分を制御出来ないでいます。本当は彼も苦しいのです。
薫子は床に座る彼の目線に降り、話を始めます。どうしても、彼の協力が必要でした。
『村元くん?先生からのお願い。…、どうにか協力してもらえないかしら?…、』
薫子は優しい眼差しを作り、下を向いたまま顔を上げようとはしない彼を見つめます。
しかし、そんな彼を見て、彼女はあることに気づくのです。
『上げてくれないんじゃない。上げられないんだ…。』
そのことを理解をした薫子は、その場である行動をしました。
それは、スカートから飛び出している自分の両膝をゆっくりと開くこと。
『彼の目の前には中が見え隠れをするスカートがあって、恥ずかしくて顔を上げられないんだ。』と気づくのです。
ゆっくりと左右に開き始めた薫子の太股。見えなかったはずのスカートの中が全開となっていきます。
履いていたストッキングは股間の近くで伝線をしています。もちろん、それは薫子自身も知らないことでした。
うつ向いていた少年の顔が、ほんの僅かに動きました。
本人は気づかれないようにしたつもりでしょうが、見ている薫子にはそれはちゃんと分かります。
『見たいなら見てもいいよ…。男の子でしょ?』
薫子の言葉に、彼は真っ赤になった顔を少しだけ上げました。それを見た彼女も、地味なスカートを少しだけ後ろへと下げます。
そして、和式の便器で用を足しているような女の姿を、男子生徒に見せてしまうのでした。
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