日曜の夜のファミレス。そこは家族連れやカップルで賑わっていた。その中に僕もいて、目の前には奈美さんが座っている。
彼女は『なに食べる?』と気軽に僕に聞いて来ます。彼氏にでも思われているように。タッチパネルで押されたのは、『エビフライ定食』でした。
注文を済ませると、彼女はすぐにドリンクコーナーへ行き、ジュースを両手に戻って来ます。その片方は僕の前に置かれ、それはコーラだった。
彼氏への配慮、男に馴れたような振る舞い、そんな彼女を見せられ、僕も悪い気はしない。だが、それはそこまでだった。
目の前に料理が運ばれます。『さあ、食べて?』と言われ、僕もナイフとフォークを使って口の中へと運びます。
女性と一緒に食べるというのは気分もよく、思わず奈美さんの顔を見てしまうのです。
(明るい笑顔で食べているはず…。)
そう思っていた僕でしたが、それは思い過ごしだった。奈美さんはエビフライを頬張っていたが、その目は僕には向けられていない。
外の駐車場の方を見ていて、浮かない顔をしてしまっています。僕との食事は、楽しくはないのだろうか。
視線を戻した彼女は僕の視線に気づくと、すぐに笑顔を作り始める。『美味しい?』と聞いて来たが、あの顔を見せられれば、僕の熱も冷め始めていきます。
『なんか、申し訳ない。』と、逆にこちらから思ってもしまうのです。
『なんとかしなくては。』と思い、今度は僕の方から会話を振っていく。愉快な話も回したつもりだった。しかし、それでも彼女からの反応は悪い。
それどころか、何度も言葉に詰まる彼女の姿をみてしまう。この店に入って来たばかりのあの明るい彼女はどこに行ってしまったのだろうか。
予定の1時間を過ぎ、僕達はファミレスを後にします。途端に明るさを取り戻した奈美さんを見て、僕も少しだけ安心をするのです。
車に乗ると、『まだ時間あるでしょー?イオン行かない?』と誘われてしまう。もちろん、彼女と手を繋いで歩く自分の姿が見えていた。
加代子さんの顔も見えていた。それでも、笑顔を取り戻した彼女を見れば、『ノー!』とは言えませんでした。
家へと戻ったのは2時間半後。散々連れ回されたため、疲れ果てた僕は加代子さんのことを考える余裕もなく、自宅のベッドへと倒れ込んでしまっていた。
夢の中へと入る寸前に見えたもの。それは、加代子さんではなく、奈美さんの顔。イオンに着いても、変わることのなかったあの浮かない顔でした。
あの言い知れぬ雰囲気、あれはなんだったのだろう。そして彼女は、なぜそんな僕を誘ったのだろうか…。
同じ頃、彼女も自宅、正確には祖母の家だが帰宅をしていた。赤い服を脱ぎ捨て、普段着へと戻る。
誰もいないリビング。ソファー座った彼女は、『ふぅ~…。』と一息をついている。デートの疲れではなく、久しぶりに男性と話をした疲れだった。気疲れをしていたのだ。
ソファーに寝転がった彼女だったが、そこにあるものを見つけます。それは、今朝届いたばかりの大手ネット販売から届いた段ボールの箱。
重い身体を起こし、その段ボールの前で腰を降ろします。テープは剥ぎ取られ、箱を開けると中はとても丁寧に養生材が敷き詰められています。
そして、その中から彼女が手にしたもの。それはどちらも男性器を形どっていました。どちらも?そう商品は2つあるのです。
1つは紫色をしたバイブレーター。もう1つは、ショッキングピンクのペニパンでした。
部屋へと戻った奈美。普段着を脱いだその身体は筋肉が浮かび上がり、それはとてもたくましいものです。
その彼女の股間には、買ったばかりのオモチャが装着をされました。それは肉体と同じようにたくましく、天に向いて反り勃っています。
彼女の大きな手が仮想の男性器を握り締めると、男達と同じように何度もそれを擦り上げるのです。その手はとても馴れています。
彼女はスマホを取り出し、ファイルからある人物の写真を開きました。それはイオンで撮ったばかりの僕の写真ではなく、密かに憧れる年上の女性の写真。
スマホを机の上へと立て掛けると、彼女はその両手を使い、股間のチンポを擦ります。そして、その女性の名を口にしてしまうのでした。
『おばさん…、川田のおばさん…、私のチンポ、美味しい…?…、美味しいでしょ~…、』
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