少し時間を戻します。
ホテルの中に水本さんがいると言う事実は、決して母にはプラスにはなりませんでした。やはり気にしてあげるため、時間の進みは遅いのです。
進まない時計。それでも、母は何度も時計を気にします。
深夜2時。事務所の窓を開けた母は、まだ外が深い霧に包まれていることを目の当たりにします。そして、『彼はもう帰れない。』、そう判断をするのです。
『水本さん?まだ霧が濃いのよー。もう帰れないでしょ?寝るなら、こっちにタオルケットあるよー。なんなら、客室で寝ればー?全然構わないからー。』
母はインターホンで、休憩所にいた彼にそう伝えました。しばらくしてエレベーターの音がし始め、彼が事務所へと現れました。
『霧、濃いですねぇー。もう、帰れませんわー。』
彼も外を覗いたのでしょう。その判断は、母のものと同じだったようです。
彼が手にしたのはタオルケットではなく、客用のバスタオルでした。『客室のシャワー使ってもいいですか?』と聞く彼に、『使って。』と母は答えます。
しかし、タオルを持った彼は、事務所からは出ません。長椅子にチョンと腰を降ろしました。
『お客、これだけですかぁー。少ないですねぇー。もう来ないでしょうから、良かったら、一緒にお風呂します?』
もちろん彼の冗談でした。ノリのいい母は、『入れるかぁー!おばさんの裸なんか、見たくないやろー!』とここでも彼のトラップへと入って行くのです。
この言葉を期に、二人の会話はY談へと変わってしまいました。負けず嫌いの母も、知らず知らずと卑猥な言葉を口にしています。
そして、『松下さん、どうするのー。僕のここ、大きくなってもーたわぁー。アハハハ…。』と彼が砕けました。
母は調子に乗り、『そぉー?それで眠れなくなったのなら、私が手でしてやろーか?』とそんな冗談まで言ってしまうのです。
客室へと向かおうとする彼。扉を閉めながら、『なら、その時は本当に来ますー。よろしくお願いしまーす!』とおどけて事務所を出ました。
とある客室。深夜にも関わらず、シャワーを使う音がしています。使っているのは、もちろん仕事の汗を流す水本さんです。
その顔には、不適な笑みもありました。彼には自信があったのです。あの手の女は、『言ったことへの二言はない。』と…。
シャワーを終えた彼は、身体はちゃんと拭き取りましたが、頭はあえて少しだけ濡らしておきました。ドライヤーは掛けません。
そして、客室を出ると、母のいる事務所へと戻るのです。
その様子を母はモニターで観ています。彼の足はエレベーターへと向かい、そのエレベーターも下へと下って来ます。
そんな母は呆れながらも、ある決断をします。それは言ったことへの責任。『手でするだけなら…。』と勝手に妥協案で受け入れることを決めました。
彼が現れ、『もぉー、本当に来ちゃったのー?』と笑う母。水本さんも、『いや…、いや…、』ととても申し訳なさそうな顔を見せます。
そんな彼に、『なら、カギ閉めて?それで、こっち。』と言い、使ってない対面のデスクのイスの方へと誘いました。
彼の手で、『カチャ…。』と掛けられるカギの音は、この部屋が密室となったことを告げています。
申し訳なさそうしながら、イスに座った水本さん。両手を前で組み、何をしていいのか、イジイジとした姿は母にはどこか可愛く見えていました。
そんな彼の頭に、乾いたバスタオルが乗せられました。濡れた髪を、母が気にしたのです。しかし、これも彼の計算だったのです。
母の両手がバスタオルを掻き出します。濡れた髪は水分を取られ、少しずつですが乾き始めました。そんな母でしたが、彼の両手が気になります。
知らない間に、自分の腰にあてられていたのです。その手はとても優しく、『私を支えてくれているだけ…。』、母はそう判断をしました。
バスタオルが取られ、母は、『なら、ズボン下げて?』と要求をします。そこでも彼の態度は腰が低くく、申し訳なさそうにズボンを降ろすのです。
母の目の前に現れた、彼のシンボル。それは細くて華奢な太股の間にあり、余計に大きく感じます。
ただ、気になるのは、黒い陰毛がとても丁寧に処理をされていること。普段から、気をつかっているのでしょうか。
母はイスに座る彼の横で腰を降ろし、床に膝をつけます。気にしない素振りをしようとしますが、そのたくましいモノを何度も見てしまう自分がいるのです。
『あっ、ちょっと待ってくださいねぇ?』、意を固めた母を、彼のやんわりとした言葉が制止をします。
彼は太股まで下げていたズボンとパンツを、足から抜き取りました。そして、セーターとシャツを胸元まで目繰り上げ、その細い身体を見せるのです。
下から見上げる母の目には、それはどう見えたでしょうか。下半身はなにもなく、乳首まで見えた男。きっと、もう『全裸。』と見えたに違いありません。
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