大野と別れ、ホテル『リノ』を出たのは11時近くになっていた。助手席に座る加代子さんを見るとその顔は晴れ、とても気持ちがいいようである。
『ごめんなさい…。迷惑ばっかり掛けてしまって…。』
そんな彼女の口から出たのは、謝罪だった。60歳と言っても、たいした美人である。言い寄ってくる男がいても、仕方がないかもしれない。
『全部聞かせてくれるんでしょ?』、惚けるように聞いた僕に、ようやく彼女の顔にもいつもの笑顔が戻る。
『はい。全部お話しします。包み隠さず…。』
加代子さんはそう言うと、頭の中で整理を始めていました。僕に全てを語るためです。
しかし、僕のこの言葉に彼女の顔は更に笑顔が弾けます。
『ひとつだけ…。あの男となにかあった?それだけ。それと、今から僕とホテル行こ~?エッチしよぉ~?』
加代子さんの口からは、『彼とは何もないです。誓えます。それと…、私もあなたに抱いて欲しいです…。』と言ってくれるのでした。
ある意味、ラブホのハシゴとなっていた。フロントからカギを受け取り、エレベーターへと乗る。
階数表示を見ながら、『さっきもなかった、これ?』と言う僕に、彼女は恥ずかしそうに笑ってくれていました。
早足で部屋へと駆け込んだ僕達。加代子さんはテーブルにバッグを置き、僕はベッドへと腰掛けます。
『変な臭いしないでしょ?』と言うと、何のことだか分からない彼女は首をかしげました。
しかし、大量のティッシュとコンドーム、床に落ちているパンティーとストッキングの話をすると、少し納得をした表情に変わります。
『さっきの部屋のこと~?酷いわねぇ~。』と、やはり加代子さんも気にはなっていたのです。
荷物を置いた彼女は先にワンピースを脱ぐと、ベージュのスリップ姿になります。
下着も同じ色の地味な物を身につけており、とても男に抱かれに行ったようには感じません。彼女自身、やはり迷いがあったのです。
彼女はベッドに座る僕に近づくと、目の前で床に膝をつけてしゃがみます。そして、上目遣いで僕を見ながら、こう言うのです。
『私、あの男に身体を触られました…。あの男の指を、私の身体の中に入れられました…。それで全部です…。ごめんなさい…。』
加代子さんの顔は少し硬く見えました。きっと、その事を僕に言えなくて、ここ数日間苦しんでいたのです。
『もう、されませんは~?』と言うと、そのまま返事が返って来ました。そして、ちゃんと僕に頭を下げるのです。
加代子さんの頭が上がります。しかし、彼女の目にはあるものが見えていました。それは僕の視線。その視線は股間を見ていて、無言で訴えています。
理解した彼女はひざで
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