その日、大野が加代子さんのお店を訪れたのは、午後3時を回っていました。普段は午前中ばかりに現れるだけに、それは珍しいことでした。
駐車場に停まった車のドアが開き、大野が降りてきます。それを、お店の中からガラス越しに加代子さんは見ていました。
しかし、その日は助手席のドアも開きます。降りてきたのは、加代子さんと同年代の女性。彼の母親ではないようです。
店に入った彼は、すぐにカウンター越しに加代子さんへ声を掛けました。またいつものめんどくさい注文のようで、カタログが開かれます。
彼とにらめっこをするように、そよカタログを覗き込む加代子さん。しかし、商売でありながら、彼の話しはあまり耳には入りません。
扉のそばで何も言わずに、ただ立っているだけの女性が気になったのです。『どなた?』とは思いましたが、それを口にすることはありません。
気になったのは、髪型でした。体型はかなり細身ながら、髪型は加代子さんと同じお団子ヘアーだったのです。
大野との話は15分近くが過ぎ、ようやく注文を受けられそうです。少し安心をした加代子さんは、『あちらの方、大丈夫?』と大野に聞きます。
彼は、『ああ、待たせておけばいいです。』と気にせぬ素振りで返して来ます。まるで、女をモノとして扱うように…。
店を出た、大野。車を走らせ始めると、すぐにシートから腰を浮かせていました。左手で助手席に座る年配女性の髪を掴み、自らの股間へと引き寄せます。
『あれが加代子…。わかったか?』、言われた女性は頷き、彼のズボンのジッパーを下げ、パンツの中から男性器を取り出し始めます。そして、真上へと向けると自らの口での奉仕を始めるのです。
その日、朝10時に入ったラブホテル。女性は『川田加代子』となり、この男に抱かれていました。女としては、屈辱以外の何物でもありません。
しかし、自分が自分であっては、もう彼が満足をしないのが分かっています。川田加代子として抱かれ、彼に最高の興奮をもらうのです。
そのためには、苦ではありません。そうしなければ、この男は自分を捨ててしまうことでしょう。
フェラチオをさせている大野。40歳を過ぎて、おじさんの仲間入りをした彼だったが、もうこの10年、年上の女性としか付き合ってはいない。
それも20~30歳の年の差など当たり前。自身が熟女フェチなのを分かった上で、その年代の女性ばかりを相手にしているのだ。
その数は20人では済まない。このフェラチオをさせている女性ですら、まだ1ヶ月程度の付き合いなのだ。
そして、声を掛けた理由。『髪が長く、加代子さんのようなヘアーに出来るだろう。』、ただそれだけでした。
彼が本当に求めているのは、数ヶ月も前から川田加代子。これまで熟女数十人と付き合って来た彼をしても、加代子は一番の上玉だったのです。
『川田さん、ちょっとトイレ貸してもらえる?お腹、痛くて…。』
大野の言葉に、『どうぞ、どうぞ、』と加代子さんは笑顔で答えていました。お店を進み、住宅部の扉が開かれます。
大野はこの数ヶ月で、加代子さんのことを理解していました。絶対に『あっちにあるから。』とは言わず、お客をトイレまで誘導をして行ってくれることを。
そして、お店を抜けた住宅部には玄関が存在をし、その扉を閉めれば、もう訪れたお客からは見えなくなってしまうことを…。
『そこ。あっ、わかってるよねぇ?』
玄関で立ち止まり、その横にあるトイレを指差した彼女は、彼が一度使用していることを思い出していました。
自分でもバカなことを言ったと反省をしています。しかし、そんな彼女の上半身が前のめりになって、廊下へと倒れ始めました。
一瞬、何があったのかも理解が出来ないくらいに突然です。そして聞こえてくる、『ガラガラ~。』と言う扉の閉まる音。
そこで加代子さんは理解をします。背中を大野の手に押され倒れ込んだこと。そして、扉は閉められ、自分の身に危険が迫っていることに…。
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