『川田くんところのお祖母ちゃん、亡くなったって…。』
母からそれを聞いたのは、僕が中学へと上がる頃だった。ただ、悲しくもなく、驚きもしなかった。長く、あのお祖母さんには会っていなかったからだ。
その方が亡くなったことで、特に生活の変化もない。ただ、川田家では違っていたようです。
まず、変わったのは旦那さんだった。家や息子のことは妻と母親に頼りっぱなしで、仕事だけしていれば良かった彼。
突然、大黒柱となり、責任感が増したようです。やらなかった近所付き合いも始めたのは、ちょうどこの頃。
ただ、根っからの仕事人だったため、その辺りの苦手さは克服は出来ず、あまり成果はなかったようです。
そして、加代子さん。葬儀では泣き崩れていたという彼女。しかし、内心ほっとしたところがあったことも事実。
変わり始めてくれた夫を歓びの眼差しで見てもしまいます。この家に嫁ぎ、初めてこの家の者になれた気さえしていました。
一番変わったのは、川田くんだったのかも知れません。可愛がってくれた母親を亡くしましたが、彼には本当の母親がいました。
産みの親です。加代子さんの元へと、自然と近づいていってしまうのは本能なのでしょう。ようやく、本来の姿に収まり始めた川田家なのです。
しかし、この母と子にこんなことが起こってしまいます。
それは、寒い冬のこと。川田家にある人物が訪れました。それは、水道局の人間です。彼が言ったのは、『使用量が増えています。』ということでした。
つまり、漏水。加代子さんの家のどこかで、水が漏れてしまっているのです。しかし、彼女の家は古く、とても簡単には直せない。
そこで選んだのは、水道の配管のほとんどをやり変えるといった工事で、3日以上も掛かる大工事となってしまうのです。
ただ、水道屋さんも気を使ってくれて、生活に困るところだけは初日に工事を済ませてくれたのでした。
次の日。敏感になっていた加代子さんは、水道のメーターを覗きます。しかし、停まっているはずのメーターが回転をしています。
慌てた彼女は元のバルブを締め、家の中へと駆け込みました。まだ漏水しているところがあると慌てたのです。
その扉を開いたのは、彼女が家に戻ってすぐのこと。一番怪しいと思ったからでした。しかし、そこには全裸の男性が立っていました。
頭にバスタオルをあて、濡れた髪を拭き取っていました。
それは、息子の川田くんでした。水が出ることを知っていた彼は、朝早くにシャワーを浴びていたのです。
ところがすぐに停まってしまい、慌てて出てきたのでした。
『お風呂入ってた~?ごめんなさい…。水道のメーターが回っていたから、まだ漏水してるのかと思って…。』
少し落ち着き、言い訳を始めた加代子さん。しかし、息子の反応は悪く、『戸を閉めてよ!』と言われてしまうのです。
自分の手で満足に育てられなかった彼女は、彼が身体を見られることを恥ずかしく思うほどに成長したという実感がありませんでした。
『あっ、ごめんなさい…、ごめんなさい…、』
と言い、過ちに気づいた彼女は、そのままリビングへと向かいます。風呂から上がった彼は、母を見ることもなく、自分の部屋へと向かいました。
少し安堵をする加代子さん。手に持った熱いコーヒーを飲みながら、さっきの光景が目に浮かんでいました。
開けた時に見えたのは、息子の姿でした。頭にはバスタオルが乗せられていました。ただ、その後話したことは事はよく覚えてはいません。
彼女の目には、成長をした息子の男性器が見えていたからです。彼女が目にしたのは、きっと数年前が最後。
その時に比べ、彼のモノはたくましくなり、何よりツルツルだった肌は真っ黒な陰毛に覆われていました。
息子の身体は、知らない間にちゃんと大人になっているのです。
加代子さんの手は本人も気づかないのに、股間に滑り込み、女性器に触れています。人差し指で、軽くですが、そこを掻いているのです。
すぐに気づいた彼女は、その行為をやめました。バカなことをしようとした自分を恥じたのです。この時は…。
数年後。彼が亡くなった後、この続きが行われました。加代子さん自らの手により、その身体は慰められました。
結果、彼女は今までになかった興奮を覚えました。実の息子に抱かれる妄想が、自分の興奮を引き立ててしまうことに気づくのです。
※元投稿はこちら >>