部屋へ入ると、もちろん畳の敷かれた和室でした。壁には掛け軸、中央には真っ黒な座卓、その脇には2つの座椅子が置かれています。
ホテルもそうでしたが、この部屋もなかなか豪華な造りとなっていました。
窓からの景色を眺め、部屋も一通り見渡すと、加代子さんは座椅子に腰を降ろします。座卓の上には肘が乗り、彼女も疲れているようです。
『疲れた?』と聞くと、『さっきのお風呂が…。』と言っていました。芯から温まってしまい、身体はもう骨抜きとなっています。
目の前に座る、そんな彼女を見ました。紺色のワンピースが映え、それを着こなせている彼女は、やはり美人なのです。
『浴衣あるよ?』と言ってみます。かごの中には二人分の浴衣があり、着替えようと誘ったのです。
しかし、『もう少し…。』と断られました。まだ、今は動きたくはないようです。
断られた僕は、隅に積まれてある座布団を手に取り、縦に三枚並べて敷き始めました。加代子さんも、それを不思議そうな顔をして見ています。
敷き終わった僕は、『横になり~。マッサージしてあげるわ。』と誘いました。もちろん、丁重に断られました。彼女もバカではありません。
そこに横になれば、この男が何をしてくるのか、分かったもんじゃありません。
『お洋服がシワになるから…。』と、この一点張りの彼女に僕はこう言うのです。
『なら、浴衣に着替える~?…、触るよ~?加代子をここに寝かせて、エッチなことするよ~。好きだから、身体触るよ~。なんか僕、間違えてる?…、』
こんな勝手な主張でも、疲れていたはずの彼女の顔に笑顔が戻りました。呆れた笑顔でしたが、聞き分けのない子供のような感じがしているのでしょう。
『もぉ~…、あんまり触ったりしたらダメよ~?』と言い、立ち上がるのでした。
二人の身体からは、1日着ていた洋服が取られていきました。僕はシャツとパンツ、彼女は白いブラとパンティーを残して、上から浴衣を着ていきます。
さすがは日本美人の彼女。初めて着る温泉旅館の浴衣でも、ちゃんと似合うから不思議です。帯が締められると、どこにも不自然さがないのです。
『ナオちゃん、お風呂に行く~?』
彼女の言うのは、このホテルの大浴場。しかし、そんな言葉など僕が聞くはずもありません。キツく締められている帯を後ろから握り締めます。
そして、『まさかぁ~、行くはずないやろ~?』と言い、加代子さんの身体を敷いた座布団の上へと引き摺り込むのです。
『ナオちゃん、やめてやめて。…、わかったから~…、わかったから~…、』
加代子さんも、もう諦めたようでした。座布団の上にうつ伏せになり、重ねた両手にその顔を乗せます。
そして、『なら、腰の辺りをお願い…、』とマッサージの要求してくるのです。
目の前には、一度お風呂に入ったため、肌がスベスベとなっている浴衣姿の女性が寝ていました。
締められた腰の帯は、ダイエットで最近になって現れたくびれを作り出しています。マッサージ?、そんなものが行われるはずなど、もちろんありません。
足にまで延びた浴衣の裾を握る僕の手は、ゆっくりとそれを持ち上げ始めるのです。
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