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数日してR田から進捗の第一報がメールで届いた。昔、都内の本院で懇意にしていた私に挨拶をする体を装って医局にいき、また改めて訪問するので私に宜しく伝えてくれてと言い残してきたとの内容であった。確かに翌日に美〇子から、R田なる人物が来たこと、また日を改めてくるはずであるとの報告を受けた。R田を援護するつもりで、再びR田が訪問してきた際はお茶でも出してやってくれと美〇子に頼んだ。R田はその後2回ほど、医局を訪問し、なかなか私と会えないことを悔しがった。(もちろん彼女がひとりになる時間を選んできているので私に会えるはずもないのだが。)さすがに3回目には美〇子から、私が在局している時間を伝えられたので、次の段階に入ると連絡があった。その3回の接触の間に彼女に関する相当量の情報を得たようである。
4回目の報告のメールには彼女に対して、2回目以降は実は彼女と話すことが目的できていたことを伝えたとの報告があった。R田によれば彼女は彼の突然のカミングアウトを受けて、かなり混乱していた様子であったが、再びお邪魔をしていいかとの問いにはうつむいたまま頷いたとのこと。
その後の数回の間に彼は彼女のフリーメールのメールアドレスを聞き出し、いよいよ食事に誘ったと連絡があった。そして誘った際のメールのやり取りもペーストされていた。
槌
R田>>お疲れ様です。この前は合わせてくれただけだったかもですけど、僕は本気にしちゃってます。約束通り飲みに付き合ってくださいね(^-^;隠れ家的なお寿司屋さんみつけたんで今週の金曜日のご予定は?
美〇子>>本当に私なんかでいいんですか?金曜日は空いてますけど。
R田>>じゃあ決まり\(^_^)/午後7時にお店で直接待ち合わせしましょう。
美〇子>>はい。Linkありがとうございます。
R田>>宜しくお願いします。とても楽しみです。おやすみなさい(^o^)ノ
槌
すでに冬は過ぎ去り、官舎の前の桜の花弁も堅い蕾を割って開き始める時期にさしかかっていた。
槌
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