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R田との打ち合わせでは午後8時過ぎにシャンパンとオードブルを注文する電話を装った電話がくることになっていた。私はプールから出ると夕食会場で軽く食事を済ませると、自分の部屋でシャワーを浴びて待機した。午後8時にフロントに電話を入れ、シャンパンと軽いつまみになりそうなものをとフロントデスクに注文を入れた。ほどなくして、冷えたシャンパンとクラッカーにキャビアとサワークリームを乗せたものが届けられた。それと前後して私の携帯電話が鳴った。R田からの着信だ。
「ルームサービスのお願いはこちらでいいですか?」
私は取り合えず、はいと答える。もう美〇子は目隠しされているのだろう。
「シャンパンとなにかおつまみになるようなものをお願いしたいのですが。」
「クラッカーにキャビアらしきものが乗ったものが届いてるけどそれでいい?」
こちらの声は聞こえる心配がないので、普段通りの返答をするとR田の声にかすかに笑いが含まれた。
「それで結構です。お願いします。それと男性のスタッフでお願いします。」
「5分くらいでそっちにいく。」
R田との打ち合わせで、私は田舎のホテルではたらく朴訥な若いホテルマンといった雰囲気でふるまうことになっている。
先ほど私の部屋に届いたシャンパンとオードブルを乗せたトレイを手にR田たちの部屋にむかった。かれらの部屋の前でノックをする。バスタオル一枚を腰に巻いただけのR田がドアを開けた。R田はにやにやしながら、開口一番やや大きめの声で「中まで運んでもらえますか。」といった。中から「えっ。ちょっとぉ、本気なの。」とうろたえた女性の声がかすかに聴こえた。私は「かしこまりました。」と声のトーンを1オクターブ上げて答え、靴を脱いだ。かれらの部屋は和洋室だった。入り口と和室を隔てる襖をR田が開ける。手前に和室、間仕切りを隔てた向こう側に洋室があり、引き戸は開放されているため、洋室に二2台のベッドが並んでいるのがわかる。そしてその間仕切りの鴨居に拘束された両手を吊るされ、黒いベネチアンマスク風のアイマスクで目隠しをされた美〇子がいた。羞恥心からか、あるいはアルコールのせいか、かなり紅潮した顔を横にそむけ、長い髪が顔の半分を覆っていた。露わになっている胸は両腕を挙げさせられているため、その形の良さがさらに際立っていた。下半身は黒いガーターベルトに蝶のレースがあしらわれた黒いストッキングとパープルのごくシンプルなタンガだけを身に着けていた。タンガの極端なシンプルさがかえってエロティックな雰囲気を醸し出していた。茫然と半裸の美〇子を眺めていると「シャンパンはこちらにお願いします。」とR田が和室の卓上を指示した。「かしこまりました。」と短く答え、トレイをテーブルに置く。
「あなたは先ほどプールの監視員もしていましたね?彼女のことジロジロみていたでしょう。」にやついたR田が問いかけてきた。
「は、はい。」
「いろいろな仕事があって大変ですね。彼女どうですか?もっと近くに寄って、よくみてあげてください。恥ずかしいことが大好きなド変態女ですから。」
「す、すごく、きれいです。」
緊張する朴訥な若者を演じているつもりだが、実際に緊張していた。美〇子は増々、顔を紅潮させて首を横にふっている。
「君はかなり若くみえるけど彼女いるの?」
「いないです。」
「いない歴は何年?」
「に、21年っす。」
お互いに吹き出しそうになりながらやり取りを続ける。童貞の若いホテルスタッフになりきることになっている。私も調子に乗ってきた。
「えっ!じゃあ彼女ができたことないってこと?」
「は、はい。す、すいません。」
「これはびっくり。謝ることじゃないです。こんな若い素敵な青年がルームサービスしてくれて彼女も喜んでるよ。せっかくだからもう少しサービスをお願いしようかな。シャンパンを彼女に飲ませてあげてよ。」
「は、はい。」私はシャンパンのコルクを抜くとグラスにそそぎ、美〇子の口に近づけた。肉感的な厚めの唇がグラスを探してとがる。下唇にグラスの縁をあてると、わずかに口が開かれた。グラスを傾け、およそひと口分のシャンパンを流し込む。3口ほど立て続けに飲むと、「ありがとうございます。おいしい。」と入室依頼初めて美〇子が声を発した。彼女は医局の宴会でも酒はかなりいけるくちだった。
「おいしかったんだぁ。じゃあ何かお礼しないとね。じゃあお礼に胸を好きなだけ触らせてあげよう。いいね。」美〇子は返答しなかったが、R田は私に親指を立てた。私は彼女の背後にまわり、両手を胸にまわした。胸に触れた瞬間、彼女は大きく体を揺すった。わずかに抵抗の意思をみせようとしたのかもしれない。しかし、優しく揉みしだくとすぐに動きを止めた。柔らかい、弾力もある。乳首に指をあて、こするようにしてみる。次第に美〇子の息が荒くなっていくのがわかる。
「君、女性の胸に触るのは初めて?」
「たぶんそうです。あっ母親以外は。す、すごい、柔らかい。初めてっす。」
それを聴いてか、美〇子は声をあげ始めた。胸を揉むちからに一段と力を込めた。
「あぁ、はぁ、あはぁ、はぁ、うん。」
「そんなに感じてぇ、今度はおなか空いちゃったでしょ。じゃあ今度はお兄さんにおつまみのクラッカーを食べさせてもらおうか。昔、合コンの定番ゲームだったポッキーゲームみたいに口で食べさせてもらおう。いいね。」今度も美〇子は答えない。
私はサワークリームとキャビアが乗ったクラッカーの隅を前歯でくわえると、美〇子に顔を近づけた。彼女の甘い吐息が顔にかかる。クラッカーを吐き捨て、思い切り彼女の唇や舌を吸いたい気持ちに駆られたが懸命にこらえた。気配を察した彼女の顔が少しずつ近づいてきた。やや厚めの肉感的な唇が目前に迫る。彼女は少しだけ口を開くと舌をのぞかせた。舌の先端がクラッカーの端に触れると口を縦長に開けてクラッカーのおよそ3分の1を前歯で器用に齧った。体の芯から湧きあがるような興奮にふるえた。
「ん、おいしい。」
「全部いただきなさい。まだ残っている。」とR田。
美〇子は再び顔を近づけてくる。私も近づける。今度も美〇子は軽く舌を出し、位置を探る。舌先でクラッカーの位置を確認すると舌は平たく広げ、口を大きめに開けて、残りのクラッカーを口に含もうとさらに顔を近づけてきた。鼻どうしが接触しないように私は少し顔を傾けた。クラッカーを上下から包み込むように彼女が口を閉じると、彼女の唇が上下から挟むようにして私の唇に触れた。柔らかく花のような香りがする。一瞬動きを止めた彼女も、自分の唇に何が触れているのか理解したのか慌てて顔を引いた。その瞬間、彼女が口に含みきれなかったサワークリームが床に落ちた。それを予想していたかのように、すでに全裸になっているR田が近寄ってきた。
「あらあら、ちゃんと行儀良く食べないから、クリームが落ちちゃった。クリームでお兄さんの制服が汚れちゃったよ。きれいにしてあげないとね。」彼は鴨居に留めていた手錠のような拘束具の留め具をはずし、美〇子は手を降ろした。続いて彼は美〇子を畳に跪かせた。両手首は手枷で繋がれたままだが、いまさらながら自由になった両腕で胸を隠そうと努力している。R田は声をださずに何かをペニスに塗り込むような仕草をした。すぐに意味を理解した私は服を全て脱ぎ捨てると、すでにはちきれんばかりに怒張している自分の亀頭にサワークリームを塗り付けた。
「クリームで汚れたところを彼女に掃除してもらいましょう。彼女、手は使えないから、口に汚れてしまったところを近づけてあげてください。」
私は彼女の顔に自らの股間を近づけた。サワークリームをもった亀頭を彼女の鼻の数センチ手前にもっていく。クリームの香りを感じとったのか舌を出して、チロチロとクリームを舐めだした。時おり舌先が鈴口に触れる。医局長の私のペニスとも知らず、彼女の舌が亀頭を這う。彼女はすでにペニスを舐めていることに気がついているようだ。亀頭全体が彼女の口に含まれ、口内で彼女の舌が絡みつく。
「ドーテーおひんぽ、おいひぃ。」医局秘書、美〇子の口から出たとは思えない淫靡なセリフに増幅された快感が全身を駆け抜けた。
「粗相をしてしまって、大事なものを汚してしまって、何かお詫びにさせますね。そうだ、その前に確認だけど言いつけどおりにピルの内服は止めているのか?」
R田の美〇子に対する問いかけに自分の耳を疑った。
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