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R田が慎重を期し、妻の攻略を徐々に進める一方で美〇子は間覚ましい早さでメスとしての仕上がりをみせた。R田から送られてくる報告は次第に過激さを増し、医局で顔を合わせる美〇子もその妖艶な美しさに増々磨きがかかった。実際、同じフロアに医局がある他科の男性医師から、医局秘書が美人で羨ましいなどと軽口をたたく人間も出てきたくらいだ。
そんな中、R田から新しい企画の提案があった。外房の漁港町にあるホテルに美〇子と一泊旅行を計画しており、そのホテルのプールで軽い水着露出などをしてみたいと考えている。客に紛れて私もプールに来てみないかというものだった。R田が指定してきた土日は当直がはいっていたが、次の週を担当している他の医師と交換してもらい、早速R田たちが宿泊予定のホテルの予約を取った。佐〇子も連れて行こうかとも考えたが、いろいろと動きがとりづらくなる可能性も考えてひとりで行くことにした。
土曜日、午前中の外来を終え、病棟をひと回りしたあとに病院食堂で軽く食事を済ませると、一度官舎に戻り、一泊分の荷物をもって車に乗り込んだ。途中まで高速を使っていくか迷ったが、結局は県内を横断する一般道で現地に向かった。目的地のホテルは海のすぐ側に立地しており、土日ということもあってか駐車場は大型観光バスや乗用車でほぼ埋まっていた。団体客のほとんどが中国語を話し、彼らが捨てたタバコの吸い殻がそこかしこに落ちていた。少々げんなりしたが、COVID-19感染拡大以前の国内の観光地はどこも似たよう様子だったように思う。駐車してある車に注意を払いながらホテルに向かうと、赤いレザーシートのポルシェマカンを発見した。R田の愛車だ。すでにチェックインを済ませていると思われ、フロントロビーで鉢合わせすることを過度に警戒しなくても済む。一応、ホテルへの到着と、これからチェックインを済ませることをR田に報告した。部屋に入った直後にふたりが宿泊している部屋番号と思われる4桁の番号と<午後5時過ぎ、プールいく>という一文だけの簡潔なメールが届いた。恐らく美〇子の目を盗んでメールを打っているのだろう。
午後5時の20分前にプールにいってみた。さすがに水着までは用意していなかったが、入り口の売店で購入することができた。水着に着かえて屋内プールに入場してみるとその規模の大きさに少々驚きを覚えた。ウォータースライダーを備えたプールや波の起こるプール、流れるプールなど数種類かのプールがあり、混雑といえる程ではないがそれなりに人がいた。中国語を話す外国人観光客か家族連れが大部分を占めていた。アルコールやちょっとした軽食をプール再度で食すことができるように、空いたスペースにはテーブルやイスが置かれていた。売店で生ビールを買い、それを手にプール全体を見渡すことができる入り口から最も離れた隅のテーブルに陣取った。この距離だとプールにいる人間からはよほどそのつもりで目を凝らさなければ、人物を特定することはできないだろう。ちなみに私は生来視力が良い。昔の視力検査では両眼ともに2.0以上がみえた(現在の視力検査では1.5以上は測定しないが)。おそらく遠視気味なのだろう。期待に胸と股間を膨らませて待っていると、入場からおよそ30分が経過した頃、R田が現れた。彼も目が良いのだろう、プールがひしめくエリアを遠巻きにひと回りする途中で私を捉え、胸の前で小さく手刀を切った。R田は私から最も近いプールと私が座るイスのちょうど中間点あたりにあるビーチチェアに腰かけた。彼もそこで美〇子の入場を待つようだ。
R田の入場から5分ほど経った頃だろうか、ネイビーブルーのブラジリアンビキニを着け、きっちりと後ろに髪をつめた色白の女性が現れた。ゆっくりとプールを迂回しながらこちらに歩いてきた。彼女に気が付いた男性利用客の多くが、目で追っているのがわかる。他にもビキニ姿の女性はいたが、歩き方や所作でひとめで中国系の利用客とわかる。ゆっくりと恥じらう様に歩いてくるネイビーブルーの水着の彼女、美〇子は際立っていた。彼女はR田を見つけると走り寄り、耳元で何か訴えている。布地の小さなビキニからこぼれ落ちた白い尻肉が眩しい。柔らかそうに見えるが、それは重力に負けることなく洋梨のような形を保っており、弾力もありそうだ。運動不足な10代、20代の女性の臀部よりはるかに健康的で美しい。日頃からテニスで鍛えている成果だろう。彼女はR田に何か言われたのか、再びR田のもとを離れ、入り口の方向にむかった。またもやプールで泳ぐ男たちの視線が彼女の体を舐めまわす。彼女は入り口の側の売店で飲み物をふたつ買うと、それを両手に持って戻ってきた。どうやら飲み物を買ってくる様に命令されたようだ。ふたりはビーチチェアでビールをチビチビとやっていたが、しばらくするとお互い腰に手を回してプールを去った。ふたりがプールを出たことを確認すると、私も急いで男性更衣室に向かった。R田はそこで私を待っていた。
「どうでした?」
「すごいな。あれ以上過激な水着だと注意されるし、ギリギリの線だな。彼女がこんなことするなんて信じられないよ。普通の主婦だぜ、しかも仕事真面目な医局秘書。」
「初めは嫌がったけど、最後は彼女も結構ノリノリでしたよ。すましていたって女はみんな露出狂ですよ。そんなことより先生、今晩彼女とやります?」
「どういうことだ?」
「面白いこと考えたんです。」
R田のはなしの概略はこうだ。R田たちは部屋で夕飯を取ったあとに入浴し、部屋で酒を飲みながらプレイに突入する予定だが、プレイの最中で彼女を拘束、目隠しをさせた状態でルームサービスを頼む。そこでスタッフに扮した私がふたりの部屋にいき、R田がホテルスタッフに扮した私を美〇子にけしかける。成り行き次第では最後までというものだった。
まさか美〇子とのプレイまで期待してはいなかったが、R田の話を聴いているだけで激しく興奮した。早速R田の計画を実行に移すことになった。その場で細かい打ち合わせをして散会したが、緊張している自分に気づいた。R田からの呼び出しを待つ間、もう少しアルコールを摂取しておこうと思った。
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