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待ちに待った土曜日はすぐにやってきた。R田によれば、美〇子の出場するテニス大会は臨海工業地域のグリーンベルト沿いに作られた運動公園で行われるということだった。当日、外来が午後1時くらいまでかかってしまったため、病院を出られたのは午後2時前だった。会場につくと先ずは公園内を車でながしてみた。体育館や陸上競技場、野球場などみえる。テニスコートは4面ずつのものが2カ所にあった。男子と女子でコートが分かれているのだろう、一方のコートでは女性ばかりがプレイしており、もう一方は男性だけだった。
公園内をひとまわりして入り口にもどってくると、公園入口に面した駐車場の隅にR田の愛車、黒のポルシェマカンをみつけた。私も少し距離をおいて駐車し、R田に大会会場に到着したことをメールで報告すると、すぐに返信があった。美〇子は本日予定されている最後の試合をしている最中だという。女子がプレイするテニスコートの側に陸上競技場があり、その高い観客席へと通じる広い階段からテニスコートを俯瞰できるので、その階段を登り切ったところで待つとのことであった。階段の前にはアコーディオン式の柵が設けられてあったが、施錠されておらず簡単に入ることができた。指定された場所にいくと、白いハーフパンツに紺のポロシャツ、スポーツサングラスをかけたR田が、踊り場のようなところにある塀に両肘をついて、テニスコートを見下ろしていた。恐らくテニスコートから見るとR田の頭がわずかに見えるかどうかといったところだろう。
「本来はここは立ち入り禁止なんでしょうけど、いいポイントですね。彼女、いい勝負みたいです。手前からふたつ目の面でプレイしている黄色のウェアのペア、髪の長いほうが彼女です。」
私もR田の横に立ち、テニスコートを眺めた。4面中、3面で試合が行われていた。色とりどりのウェアに身を包んだ女子がコートを舞っていた。お揃いの色のウェアを着ているペアが多い。美〇子達のペアは黄色いサンバイザーに同じく黄色のゲームシャツ、黒っぽいスコートで揃えていた。美〇子はシューズも黄色だった。皆、紫外線を恐れて、テニスウェアの下には長袖シャツにレギンスを着けており、中には顔にも布の様なものを巻いている女性もいた。
「想像していた光景とかなり違うな。」
「みなさんほとんどが主婦層ですからね。大会参加者もいまや独身で20代なんてのはひと握りなんじゃないですかね。」
「いやいや年齢層じゃなくて、みなさん紫外線対策万全の重装備で全く肌の露出もない。」
「そりゃそうですよ。プロやAV女優のテニスウェアみたいな恰好でテニスなんかしたら、次の日は大火傷、数年でシミだらけですよ。」
「だよな。」
そんななかでも美〇子は目立っていた。ほとんどのプレイヤーがどちらかといえば、あまり体のラインが目立たない、ゆとりのあるウェアに身を包んでいたが、彼女の体形にフィットしたライムイエローのゲームシャツは形の良い胸と肉感的な臀部と対照的な腰のくびれを妙にエロティックに際立たせていた。
「先生、フェンスの外でみているあの白いキャップの男、あいつですよ。美〇子のミックスダブルスでペアを組んでいる男というのは。さっきから試合の合間でフェンス越しにコーチングをしているんです。」
「コーチング?」
「試合をみている第3者にプレイヤーが助言・指導を仰ぐことがルールで許されているんですって。」
「お前、テニスやってたんだっけ?」
「いいえ、さっき午前中で試合を終わって帰ろうとしていた女の子に聴いたんです。みゆきちゃん。結構かわいかったですよ。」R田はいかにもばつが悪いといった感じで笑った。
「お前ほんとすごいな。」
「ほら。先生、みて。試合が終わったみたいだけど、あいつ今度はコートに入っていった。また偉そうに美〇子にコーチングしてんじゃないですかね。」
「先生、テニスウェアの美〇子、近くでみたいですよね。ここに連れてきて、うまくいけばいいことさせるんで、その柱の陰に隠れてみていてください。側面にくぼみがある柱なんで、うまく身を隠せると思います。では。」R田は軍隊式の敬礼をすると、下に置いてあった保冷バッグを手に取り、階段を早足で降りていった。上からみていると、R田はコートの整備を終えて、ダブルスペアの男と話しながらフェンスの出入り口から出てくる美〇子に正面から近づいた。そしてひとことふたこと何かを口にした。そして保冷バッグを美〇子に渡し、一礼すると振り返りスタスタと歩き出した。美〇子は口に手をあてて、驚いているようにも見えるが、この距離からだと表情までわからない。他の面で行われていた試合も次々に終わった様子で、コートに残る人影はわずかになった。しばらくするとR田が階段をこちらにむかって上がってきた。私は素早く彼に指定された柱の陰に隠れた。なるほど、柱の側面がコの字にくぼんでおり、身を隠しやすかった。R田を追うようにして、美〇子も階段を上がってきた。ふたりの姿はいち度、視界から消えたが、声で接近していることがわかる。
「ちょっと待って、お願い。〇人、ちょっと待ってってば。」
「なんでついてくるの?何も気にすることないよ。何も言わないで応援にきてしまってごめんね。」
「なんで待ってくれないの?さっきの人なら何でもないのよ。ダブルスで大会に出るときのペアさん。彼も男子で出場していて、試合中の私にアドバイスしにきてくれたの。」
「だから気にしてないって。お疲れ様。最後惜しかったね。皆さんで飲んで、それ。」
「ちょっと待ってよ。ねえ、ほんとは怒ってるんじゃない?本当にあの人はなんでもないのよ。ねえ、どうしたら誤解しないでもらえるのかなぁ。おねがい、まっててばぁ。」
R田は階段を上りきると、先ほどテニスを観戦したあたりの塀に寄り掛かるようにしてドサッと座った。続いて美〇子が階段を上りきる。私は頭をひっこめた。数秒後、再び慎重に顔を出す。R田は先ほどと同じく、塀に寄り掛かり、足を投げ出すような形でこちらを向いて座っていた。美〇子はR田の前に立ち、こちらに背を向けていた。
「怒ってなんかいないよ、ほんとに。ただテニスウェア姿もすごく素敵で、そんな美〇子と一緒にいられる男に対して嫉妬したのかな。」拗ねたような、照れたような表情でいった。
「〇人がしてっていうんならいつでもテニスウェアになるよ。」
「じゃあせっかくそんな可愛い恰好しているんだから、スコートの下に履いているタイツみたいの脱いでよ。」
「えっ、ここで。恥ずかしいよ。アンスコとか履いてないし、レギンス脱いだら下着だもん。もう汗びっしょりだし。」
「お願い、みたいな。本当に怒ってなんかいないし。」
「えぇ、ここででしょ。うぅん、わかった。」美〇子は観念したように、テニスシューズとソックスを脱ぐと、スコートの下から手を入れ、レギンスを脱いだ。スコートの下から延びる真っ白な両足が露わになった。脱いだレギンスを畳むと、再びシューズを履きなおした。
「うわぁ、可愛いいなぁ。」
「おばさん相手にからかわないの。」
「からかってなんかいないよ。ほら。」
R田はハーフパンツの股間のジッパーをおろすと、固く巨大化した肉棒を取り出した。カメラを通してみたそれよりもはるかに凶悪な印象を与える。
「もう、ばか。」
「保冷バッグには差し入れの生のフルーツジュースがあるんだけど、美〇子はこっちのジュースのほうが飲みたそうだね。かがめば下からは見えないから、遠慮なくどうぞ。」
「もう…。」美〇子は四つ這いになると、そのまま這ってR田の両足の間にすすんだ。彼女が四つ這いになることで、当然ながら短い丈のスコートはせり上がり、こちらからはライトグレーのスポーツショーツが丸見えになった。R田はそこまで読んでいたのだろう。手を伸ばし、あの白い太ももに触れたい、あのショーツに包まれた柔らかそうな尻肉を揉みしだきたいという衝動を必死で抑える。美〇子は庇が邪魔と思ったのかおもむろにサンバイザーを取ると、R田の股間に顔を埋め、淫靡な音を立て始めた。R田はこちらに舌を出しながら、ピースサインを送ってきた。やがてライトグレーのクロッチ部に縦長のダークグレーの楕円形ができ、次第に大きさを増した。秘部を覆う部分がほとんどダークグレーに染まる頃、R田が「うっ。」と短い声をあげた。
「ごちそうさま。精液って苦いのね。なんでにがいの?」
「初めて飲んだの?」
「うん。」
微笑んだR田に頭を撫でられると、再びR田の股間に顔を埋めた。使った食器は自ら綺麗にするようにと躾けられた幼女のように。
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