早苗からのメッセージを受け取った雅紀だが、焦りはなかった。
これから早苗が陥るであろう罪悪感と欲情の狭間の葛藤を早苗が本当に脱却出来たときが、本当の早苗のエロスを引き出せる時だと思っていた。
その雅紀の予想通り、早苗は帰宅後に博の姿をまともに見れず、すぐにシャワーを浴びながら、
自分の体に残る雅紀の余韻と夫である博を裏切ってしまった事への罪悪感が交互に襲ってきていた。
もう会わない方が良い…会いたい…
シャワーを顔に掛けながら、心の中ではその葛藤が大きくなっていた。
「顔色悪いよ。大丈夫?」
雅紀は駅のホームで乱れた見掛けた早苗に心配そうに聞いた。
夫である博には、家を出る時まで気付かれなかったのに、雅紀はひと目で気付いてくれた。
前夜に疲れもあったはずなのに、心の中の葛藤が大きくなりすぎて、寝られなかった。
この日、雅紀の時間帯に合わせたのは、会わない方が良いと話そうと決めていたはずだったのに、
結局言い出せないどころか、電車内では今まで以上に密着し、顔の距離はキス出来る近さだった。
そして、雅紀からのキスを求める事をどれだけ我慢したかは…雅紀にも気付かれてないと思っていた。
だが、その時も見透かされていた。
『よく我慢したね。今度ゆっくりね。』
その日以来、本当はこれ以上会わない事を告げようと、なんだかんだと雅紀と同じ電車で通った。
雅紀から誘いが無いのは、仕事が忙しいとも聞いていたし、雅紀にも家庭があるからだろうと思い込んでいた早苗だった。
たまに電車の中で、雅紀は早苗の服の上から早苗の体を弄ってくるが、早苗はより体を密着し、それを受け入れていた。
それだけでも雅紀との繋がりを無意識に求めてしまっている自分に早苗がきづき、少しずつ罪悪感よりも欲情の方が勝りつつあった。
誘って欲しい…
自分から男を誘ったことはなかった。過去の男達に対しては、受け身だった。
それが物足りないと振られた事さえあった。
今の夫の博から何でも言う事を聞く、従順な女を求めていたとまで言われた事さえあった。
そんな早苗が、ある夜雅紀にメッセージを入れた。
その晩は、博は出張でマンションの部屋に1人。
雅紀にメッセージを入れる前に、少しお酒を飲んだ。
そうでないと…何かしら理由を自分なりに持っていないと、行動を起こせなかった。
そのメッセージを送ってから30分くらい経った頃、マンションのインターホンが鳴った。
部屋に上がった雅紀は部屋着姿だった。雅紀の妻には適当に理由を付けて家を出てきたと言う。
「寂しくなっちゃったんだね。」
雅紀は早苗の頭を優しく撫でると、早苗は雅紀の胸に頭を寄せた。
「たくさん我慢してるもんね。」
雅紀の優しい言葉に早苗は自然と涙を流し、しばらくしてからキスを求めていた。
まさか夫が留守の間に雅紀を自分から招くなんて…と信じられない気持ちは吹き飛んでいた。
雅紀と舌が絡ませ合いながら、服の中に入ってきた雅紀の手を受け入れた。
服はリビングで全て脱がされてしまった早苗だが、そんな事もどうでも良かった。
全裸の早苗は自分からまだ服を着ていた雅紀を寝室に招いた。
雅紀が前に望んだ通り、電気を付けたまま、二人してベッドに倒れ込んだ。
「脱がせてごらん。」
雅紀が優しく囁くと、早苗は雅紀の服に手を掛けた。
そして、仰向けになって寝ていた雅紀に覆いかぶさるように、雅紀とキスをして…そこから雅紀の体に舌を這わせ、下半身へと移動していく。
そんな娼婦みたいな事をしたのは初めてだったが、恥じらいを何とか押し殺して、自分から招いた雅紀に喜んでもらおうとしていた。
雅紀の手が早苗の体に伸びてくる。
触らせやすいように、早苗も体の向きを変えたりしていた。
早苗の下半身からはすでに音が寝室に響くくらい濡れていて、時折動きは止まるものの、雅紀のを口や舌、手で慰めていた。
「早苗のここがヒクヒクしてるよ。いつもこんな感じなのかな?」
雅紀からの意地悪い質問に。
「そんな事ない…雅紀さんだけ…初めての事ばかりで、色々と少し怖いよ…」
恥じらいを見せながら、何とか早苗は答えたあとも、雅紀のを咥えていた。
「入れたかったら、入れても良いんだよ。欲しいんでしょ?ここに。」
クチュクチュと言う音が大きくなった。
早苗は手で雅紀のを掴むと、上になり、それを自分の股間に宛行った。
恥ずかしくて、雅紀の顔を見ることが出来ずに、目を瞑りながら、腰を落とすと、女としての声を抑える事が出来なかった。
「腰を動かしてごらん。」
雅紀の言う通りに、早苗は腰を動かした。
「自分が一番気持ちいい所に擦り付けるように…」
その通りに、早苗は声を上げながら腰を動かした。
「もうダメ…ホントに怖いよ…」
それでも早苗の腰の動きは止まらない。
雅紀の手が早苗の両肩に下に押し付けるように乗ってきた。
早苗の子宮口と雅紀の先が擦り付けられ、それに耐えられなくなった早苗は雅紀に倒れ込んだ。
「ほら、早苗の子宮が求めてるのは、誰のおちんちんかな?」
早苗は小声で、「雅紀さんの…」と答えた。
その質問が事あるごとに繰り返されると、早苗からは完全に罪悪感は消えた。
男性から放出されたものを飲み込んだのは初めてだった。
それどころか口に出された事すらなかった。
それも一つの愛情表現で雅紀が喜んでくれると思えばこその行為だった。
2回目はシャワーを浴びようと浴室に二人で移動しようとした時に、洗面台の前だった。
早苗からしたら、そこは日常生活を過ごす所で、滅多に夫婦以外は入らない生活感のある空間にも関わらず、
鏡に映っていた自分は、非日常的な行為をして、喜んでいる姿だった。
恥ずかしがりながらも、自分が雅紀にだかれ、喜んでいる姿を目にすると、余計に雅紀への欲情が大きくなった。
そして、自分の中に潜んでいたエロスに少しずつ気付かされていく。
雅紀に洗面台の上に片足を上げられ、繋がっているところを見せてもらったが、嬉しいと早苗は感想を持ってしまった。
「中に出そうか?」
雅紀は腰を早苗に打ち付けながら冗談っぽく聞くと、早苗は笑みを浮かべながら、
「また飲んであげる…」と雅紀の前にしゃがんで、咥えると、手を動かした。
シャワーを浴びている間もイチャイチャしつつ、長いシャワーを浴びて、雅紀は早苗のマンションを後にした。
もう少しだな…
早苗からまだ求めてくるようなメッセージが、スマホに届くのを見ながら、雅紀は思った。
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