藤井サンはチラッと俺の方を見た。
俺は藤井サンの返事も聞かずに「今日、文化祭が終わったら、どっかでしましょうよ。見せっこ…」と言った。
藤井サンは「えっ…今日は…打ち上げもあるし…」と言った。
俺は立て続けに「じゃあ、月曜日は?文化祭の振り替えで俺たち休みだし。」
藤井サンは「えっ…えっと…でも…」と悩んでいた。
俺は「親は居ないんでしょ?だから、花園サンの時みたいに藤井サンの家でね!」と半ば強引に言った。
藤井サンは「えっ……う、うん…」と言った。
俺は内心、やった!って思った。
藤井サンは見せ合うって事はOKとは言ってなかったが、強引に日時を決めた事で、見せ合う事も了承した事になった。
俺は勝手にそう思っていた。
昼飯時も終わるとチラホラ、人もやってきた。
俺と藤井サンは、受付当番の仕事をこなしていった。
それからは世間話をしていたが、藤井サンは返事をするだけで、俺だけが話していた。
受付当番の交代がきた。花園サンともう1人が歩いてきた。
花園サンは来るなり「アンタ、百合にばかり仕事させてたんじゃないでしょうね!」と言ってきた。
俺は一瞬ムカついたが無視した。
俺は、話をしている花園サンと藤井サンを見ていた。
きっと中学当時、気の強い花園サンが、イジメられっ子の藤井サンを強引に誘ったんだろう。
さっき、強引に藤井サンと約束した俺のように。と思った。
※元投稿はこちら >>