俺は美術部に行ってみる事にした。
一応、田村やトオルに声を掛けてみたが、答えはNOだった。
俺は放課後、美術室に向かっていた。
美術室は、明かりが点いていて中から話し声が聞こえてきた。
俺は美術室のドアを開けた。
10人くらいの女子達がいた。
その中にお目当の藤井百合サンも居た。
その美術部員の女子達の視線が、全部俺に向いていた。
ちょっとした沈黙があった。
その沈黙を破ってくれたのは、藤井百合サンだった。
藤井サンは「あれ?もしかして…入部希望?」と言って近づいてきた。
俺は近づいてきた藤井サンを見て、心が踊った。「うわっ!可愛い!」って思った。
俺は、そんな気持ちを悟られないように、自然に振る舞った。
藤井サンの後から、美術部の部長が声を掛けてきた。
俺は部長に名前と学年とクラスを教えた。
部長は「今日、顧問の先生が来ないから…どうしよっか。今、文化祭の出物の制作で忙しいから…」と言っていた。
確かに、美術部みんなして何かを作っていた。
藤井サンが部長に「じゃあ、私がこの子といるよ。」と言ってくれた。
そして藤井サンは「おいで♪」と言って、美術室にの隣にある美術準備室へ行った。
俺もついて行った。
俺は藤井サンの後ろ姿を見て「本当にイジメられっ子なのか?」と思った。
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