双頭な人たち 5
「博子さん?、先に行ってて」
「あとから行って探すから、オバサンと2人で、ね?」
「それと、トイレでも行って これ着けといて、開ければ判るから」と、小さな巾着袋を持たせた。そこには勿論[リモコン式]が入っている。
「オバサン?、オバサンも」
オバサンにも もぅ1つの巾着を渡した。
リモコンは抜いてポケットに仕舞っておいた。
車が図書館に着くと博子さんとオバサンに そぅ促した。
先に降りて歩きだした博子さん、遠目にもスカートごしの[線]がハッキリと判る。
その尻が揺れながら遠ざかっていった。
「オバサン?、オバサンはここで着けてっちゃえば?、歩きだしたらすぐにスイッチ入れてあげるから、ね?」
俺に そぅ言われて オバサンは俺を見ながら シートから少しお尻を浮かせた。
お尻を浮かせ スカートをたくし上げ ゴソゴソとパンツごとパンストをずらして装着している様子だった。
「博子、どの辺りに居るのかしら?」
「どぅだろ?、たぶん2Fじゃん?、2Fは難しい本だから、その分 人も少ないだろうし」
「それよりさ、これ どの位まで届くんだろ?、説明書とかって有った?」
「さぁぁ?」
「有ったにしたって そんなの読む?普通」
「…だよね?、すぐ試すよね(笑)」
「…でしょ?」
「先に行って オバサン」
「適当に入れたり切ったりするから、どの辺まで届くのか…、ね?」
オバサンは 妖しくニヤッと微笑って歩きだした。
振り向くこともせず わざと尻を揺らしながら ゆっくりと歩いている。
俺がスイッチを入れると 一瞬浮いた足が空中で止まる、そしてサンダルを直すふりをしながら また歩きだす。
小刻みに 入れたり切ったりを繰り返した。
距離してどの位だろうか?、5メール?7メール?、図書館の入り口近くになって オバサンの反応がなくなった。
本当は もっと出前で届かなくなっていたのだろう?、途中 何度か振り向きはしたものの 振り向く前の反応が薄すかった。
ドアが開かない様に ドアの横で俺を待つオバサン、今度は俺が歩きながら ポケットの中で入れたり切ったりを繰り返した。
少し歩いた所で オバサンの肩がピクッと震えた『この辺りかぁ??』、ある程度の距離はつかめた。
まずは1F、オバサンと離れて博子さんを探した。
奥に進むにつれて 本の対象年齢が下がってゆく、一番奥の突き当たりは 赤やピンクや黄色の大きなサイコロで仕切ってある、中では子供達がはしゃいでいた。
その子供達の世話をやく お母さん達のお尻ばかりに気を取られていると 誰かが肩を叩いた、オバサンは俺を見るなり首を振った。
「やっぱ2Fかぁ?」そぅ言って 入り口近くの階段を目指して歩きだした。
オバサンは 俺のあとをついてきている。
入れたり切ったりしても姿は見えない、が足音のリズムが微妙に狂うことで それを教えてくれた。
俺は階段を一段昇るごとに 入れたり切ったりを繰り返した。
途中に踊り場の有る階段、そこからUターンする様に さらに階段を登った。
登りきったそこはロビーの様になっていて、向かい合わせで長椅子が置いてある。
窓際には新聞やら雑誌やらがラックに吊るされている。
向こう側の長椅子の窓際では 初老の男性が足を組んで 新聞を広げていた。
辺りを見渡すも 博子さんは見当たらない。
2歩3歩と進んだ。居た、博子さんが居た。
そこは学生達が よく勉強をしているスペースで、4人かけのテーブルが6っつ、窓際にはカウンターと足の長い椅子。
博子さんは 窓際の一番端っこの椅子に座っていた。
更に2歩3歩と歩み寄りながら スイッチを入れた。
椅子に座る博子さんの肩がブルッと震えた、と同時に此方を振り返った。
「教頭先生ッ」
俺が声を掛けると 博子さんは人差し指を口元に当てて首を振った。
が、俺のこの[教頭先生]は 博子さんを呼ぶと同時に 初老の男性に その存在を知らしめる為だった。
案の定 初老の男性は 新聞を下げて辺りを見渡している。
「(教頭先生)調べものですか?」
「あのね、生徒達にばかり言えないでしょ?、今日は先生も予習、しっかり予習しとかないとね」
博子さんは 自分でそぅ言いながら 口元を手で抑え 笑いをこらえている。
俺も思わず吹き出しそぅになった。
窓際から 博子さん 俺 オバサンと並んで長椅子に座った。
博子さんを あえて男性の前に座らせて さも生徒とその母親と教頭の話 それらしい話しを装い その反応を伺った。
博子
「そぅ言えば足立君 夏休みはどぅお?」
「宿題は?、進んでる」
[足立君]ときたもんだ、また吹き出しそぅになるのをこらえて
「あんまり早くにやっちゃうと2学期が始まる前に忘れちゃうんで、毎年30日と31日って決めてんです俺」
君子
「あんたってば またそんな屁理屈」
「ゴメンなさいね教頭先生」
博子
「フフッ、まぁいいわ」
「でもね さっきまで 大田さんでしょ 板橋さんでしょ 豊島君も居たわね、みんな頑張ってたわよ」
「そぅそぅ! 福島さんなんて川崎君と一緒に来てて…、付き合ってんの?あの2人」
もぅ 吹き出すのを必死に堪えていた、オバサンも手で口元を抑えながら小刻みに震えて必死に堪えていた。
男性はと言えば 広げていた新聞を半分に畳んで 隅っこの記事を読んでるみたいにしては居るが 視線は明らかに此方を見ていた。
此方と言うよりも 無造作に足を広げた博子さんのスカートに集中しているのは 明らかだった。
それを判っているハズの博子さんは 適当な作り話しを続けていた。
「それじゃ先生 また」
「はい。宿題 ちゃんとやるのよ」
「それではお母さん…」
「いえ、こちらこそ」
「宜しくお願いします」
立ち上がり 向かい合って 頭を下げた。
新聞の向こうの初老男性の視線が 博子さんのお尻に 刺さっていた。
「あっ、先生…」
そぅ言って博子さんの耳元で
「ここで もぅ少し オジサン 楽しませてあげて、(俺達が)戻ってくるまで」
そぅ耳打ちをして その場を離れた。
俺とオバサンの姿が本棚で隠れた頃
「あんなに役者だったなんて 博子ったら」
「足立君だってよ健ちゃん、どぅする?(笑)」オバサンは、そぅ口元を押さえて身体を揺すっていた。
「どぅする?ってさ…」
「俺だって 笑いそぅで スイッチ入れんの忘れちゃったよ」
2人でそんな事を言いながら 本棚の周りを徘徊してまわった。
平日とは言え 想像してたよりも 人が多かった。
せいぜい オバサンのお尻を撫でるとか 本を探してる人の後ろでスイッチを入れる、そんな事ぐらいしか出来ない。
これ以上の[おイタ]は出来ないだろぅと 博子さんの所に戻った。
すると何やら 声は小さいが 初老男性と博子さんが何やら話しをしていた。
「それじゃ先生」
俺が そぅ博子さんに声を掛けると
博子さんは
「あっ、お母さん ちょっと…
それが わざとなのかは解らないが 膝を広げ身をよじってオバサンを呼びとめた。
そして「それじゃまた…、失礼します」
そのまま男性の方に向き直り挨拶をしていた。
そして 博子さんが立ち上がろぅとした その瞬間 俺は初めて博子さんの方のスイッチを入れた。
「やン」、そぅ洩らして博子さんが長椅子に崩れた。
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