メール8
N様。これが最後のメールになるかもしれません。あの森田という男がとんでもないことを妻に言い出したのです。
妻の話では男が経営している店がことごとく経営難に陥り、多額の借金を抱えることになったというのです。そのあげく
妻にソープランドで働いて借金返済の手助けをしてくれと言い出したのです。どうやら大変なスジの街金から借りた
ようで、強面の男が取り立てに来ているらしいのです。それだけではありません。我が家の実印を妻が持ち出して
連帯保証人の印を押してしまっていたのです。驚きも度を越えて私は何も言えませんでした。妻は大泣きして
「あなたには迷惑をかけません。どうか私と離婚してください。私が風俗で働いてお金を返します。」
そう言いました。私は大粒の涙を流して泣く妻を怒ることはできませんでした。
もとはと言えば、嫌がる妻に貸し出しプレイをさせたのは私です。写真を見て首をかしげる妻に、森田という男を
選ばせたのも私です。私の欲望が妻を狂わせたのかもしれないのです。私は妻にきっぱり言いました。
「離婚はしない。あの男の借金を返す手伝いはしないが、今までどおりマリさんの手伝いは続けてするよ。」
それを聞くと、妻は、
「ありがとう。明日ソープの面接があるの。あなたも一緒に来てくれる?」
私は大きく頷きました。
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