付記2
森隼人は激しく荒れていた妻が急に静かになった事をほっとする一方で、何か別の悪いことが起こるのではないかと
不安になっていた。義父の寛大なる配慮で、風俗嬢と遊んだことにしたのだが妻は全く信じないのだった。
そういう状態でも隼人は自分のしたことを少しも悪いとは思っておらず、ほとぼりが冷めたなら今度はもっと
上手く浮気しなくてはと思うほどだった。ある日、何やら楽しげな様子の妻が封筒を片手でヒラヒラさせながら
彼に近づいてきた。
「隼人さん、これは私からの贈り物よ、大事に持っててね。」
手渡された封筒を開けると中にUSBメモリーが入っていた。隼人は自分のパソコンにつないでメモリーの中をみてみた。
「浮気の代償」と名前が書かれた動画ファイルがはいっていた。
動画を再生すると絵美が両手を縛られ、見知らぬ男にレイプされている映像だった。
隼人は冷水を浴びせかけられ、鳥肌が立つ思いがした。
結婚して初めて妻を心の底から恐い女だと思った瞬間だった。
(おわり)
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