森隼人は予想してなかった窮地に追い込まれていた。こともあろうにラブホの領収書を
妻に発見されてしまったのだ。一枚はズボンのポケットから、もう一枚は財布の中からだった。
隼人は妻が浮気をうすうす気が付いていて、見て見ぬふりをしているものと思い込んでいたのだ。
会社経営の重荷を背負うことになる婿養子に、好き好んでまともな男が成るはずはない。その道をあえて選んだ
自分は大切に扱われて当然だと思っていた。4人の子の育児に追われる妻に、もはや女を求められる状況ではなかった。
ところが妻は夫の浮気を知るや半狂乱になっていた。毎日のようにわめきたて、子供たちは押し入れや物影に隠れ、
赤ん坊は泣き叫んだ。隼人はこんな小さなミスで秘密がばれたことを、後悔してもしきれぬ気持ちだった。
隼人は義父に呼び出され、女遊びはしばらく控える事、娘には酒の勢いで風俗嬢と遊んだが一夜だけの
関係だったことにすることを言い含められた。寛大な裁きに義父に感謝しながら、「嫁にバレた。
しばらく会えない。」と絵美にメールした。すぐに絵美からメールが返ってきた。
「これで終わりにしよう。私も旦那に見つかった。」
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