坂井と中井夫婦の3人は、開店前に、今後の料理店経営の話しをしている。
「大将!そろそろ店舗を改装してはどうだろうか?2階の住宅部分も改装してお店にして、もっと稼げばいい…」
「はい…でも…大きな資金が…私達の住宅も…たくさん問題があります」
「なに言ってるんだよ、もう年収3000万は超えるだろう。私にはわかるよ。もっと大きくして億を稼げる立地なんだよ」
「な~に、このビルの最上階の3LDKの部屋を、店舗家賃だけで貸してやるよ!それに、店の改装代も私が出資してやるよ。万が一、大将が退去しても、つぎに高い家賃で稼げるから先行投資だよ!」
「本当ですか!」
孝が、笑顔になる姿を恵は眺めている。
「ああ!二階を住宅用から店舗に改装するなんて、4日もあれば十分だ。4日、すなわち、土日の定休日に、月火と休業すれば4日だ。それに、アルバイトも三人体制にすればいい、今いるのは女子大生だから、増員の二人も女子大生がいいだろう。私がこの間に探してあげるよ」
「はい!」
「そうすれば、恵さんの仕事も楽になるよ」
「はい」
「そうだ、真希が恵さんと女ふたり旅をしたいっていうんだが……二泊三日で温泉旅行でも恵さんにプレゼントしたらどうだ。その間に住宅の引っ越しも、店舗改装も終わる、どうだ?費用は真希が全て持つから。恵さんへのご褒美だよ」
「はい…ありがとうございます!」
「恵はどうなんだ?」
孝が恵に尋ねる。
坂井が恵を睨みつける。
「嬉しいです、孝さんが許してもらえるなら、真希さんと温泉旅行に行って、疲れを癒したいです…」
「決まりだな、早い方がいい!今度の土曜日の昼12時に、真希に迎えに来させるよ。女ふたりだけの旅だ。すぐに予約は取れるだろう」
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